今天中国~中国のいま(42) 「お一人さま」ボックス

西日本新聞

 北京のショッピングモールの1階エントランスに電話ボックスのような「箱」が並んでいた。中に椅子二つとマイク、ヘッドホンがある。実はこれ、「ミニカラオケ」。中国の若者の間で人気を博しつつある。

 日本でも数年前に「お一人さま用」のカラオケが登場した。中国式の特徴は映画館や地下の食堂街など人通りの多い場所に設置され、ガラス張りという点か。中国紙によると、市場規模は今年31億8千万元(約510億円)、来年は70億1千万元に伸びる見通し。週末には長い行列ができるという。

 QRコードを読み取ると、スマートフォンに選曲画面が出る。30分60元(約千円)程度。現金ではなくスマホのアプリで決済する。

 18歳の女子高生2人組がマイクを握り、体を揺らしていた。「買い物に来たついでに。10曲ぐらい歌ったかな」とにっこり。大学受験を終えたばかりで、ストレス解消できたようだ。

 元来、中国人は食事もカラオケも大勢でにぎやかに、というイメージがある。1人で外食する姿自体、珍しい。1人で3曲ほど歌った会社員男性(35)は「みんなで行きたいけど、忙しくて待ち合わせする余裕がない。これだと空き時間に利用できるから」と話す。「若者、特に2000年代生まれは1、2人が自由で気楽なのかも」と中国メディアの知人。現代っ子気質に合うということか。

 1曲も歌わずに食事をしながらスマホをいじっている若い男性もいた。声を掛けたら「アプリ決済の残額がなかったので」と言い訳していたが、なるほど、休憩場所としても使える。立派な営業妨害ですけど。 (北京・相本康一)

 =随時掲載

=2017/06/24付 西日本新聞朝刊=

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