オークランド(ニュージーランド) 緑と羊と豊かな時間

西日本新聞

 日本から見ると、赤道を挟んで反対側の南太平洋に浮かぶ島国・ニュージーランド。羊が多く、ラグビーが強いことで知られ、近年、日本からの留学生も増えているという。3月末、夏の終わりにさしかかった同国の経済・商業の中心地で、最大都市のオークランドを訪ねた。

 オークランド国際空港から外に出て、陽光の美しさに驚いた。紫外線が強いせいか、光が澄み切っているのだ。オークランドの人口は約140万人。同規模の福岡市と港湾都市同士という縁などで1986年、姉妹都市になっている。

 日本と同じように、車は左側通行。右ハンドルの車が多く、トヨタや日産など日本メーカーの車がたくさん行き交っており、うれしくなった。

 ビルが立ち並ぶ中心街に入り、南半球で最も高いというスカイタワーに行った。五輪の聖火を長く伸ばしたような形をしていて、高さは328メートル。東京タワー(333メートル)とほぼ同じだ。展望フロアからは周囲360度が見渡せる。北を見ると、港に出入りする船の航跡が海面に輝き、南側には緑豊かな街並みが広がっていた。

 福岡市の留学サポート会社「ジーナ&パートナーズ」が手配してくれたホームステイを体験した。お世話になったのはマイクさん(69)とシェイラさん(76)夫妻のお宅。2人はホストファミリー歴22年という。

 マイクさんは「いろんな若者と出会い、仲良くなるのが楽しい。世界中に知り合いがいるよ」と誇らしげだった。

 分厚いステーキやソーセージなどのほか、ファストフード「フィッシュ&チップス」もごちそうになった。白身魚のフライとフライドポテトのセットで、揚げたてはほくほくしていて、おいしかった。

 家で過ごすとき、夫妻ははだしだった。室内に限らず、庭や玄関先に出るときも。シェイラさんは「はだしが楽でしょ」と笑った。住宅街を歩く大人にも子どもにも、はだしの人がいた。

 「ジーナ&-」の現地スタッフ、下地美樹さん(44)の案内で市内を回っていると、ワイン用のブドウ園に羊がたくさんいた。小雨の中、羊たちはブドウの木の下草を悠然と食べていた。「雨にぬれても、へっちゃらです。一番の仕事が除草で、羊毛も取れるので大活躍なんです」と下地さん。ワインの生産はヨーロッパから伝わり、世界的にも有名になっている。白ワインを飲むと、すっきりとした味で、気持ちよく酔えた。

 「気候が良くて、みんなのんびりしていて、優しいですよ」。オークランドのホテルで働く福岡県太宰府市出身の小谷和也さん(29)の言う通りだと思った。時間の流れがゆるやかに感じられ、心身ともにリフレッシュできた。

 ●メモ

 オークランドへ行くには、成田空港などに移動して直行便で行くほか、福岡空港からはシンガポール航空がシンガポールのチャンギ空港経由でオークランドへ行く便を運航している。また、福岡市の留学サポート会社「ジーナ&パートナーズ」=092(751)8670=は、ニュージーランドへの短期留学から長期の有給インターンシップまで、いろんな相談に応じている。

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 ●寄り道=ワン・ツリー・ヒル 市民に愛される丘

 オークランド市民に愛され、親しまれている丘が「ワン・ツリー・ヒル」(標高183メートル)だ。公園になっていて、かつては名前の通り頂上付近に巨大な木が1本立っていたという。現在も高さ20~30メートルほどの大きな木があちこちにあり、豊かな自然を実感できる=写真。

 現地に住む人によると、温暖で日照時間が長いため、日本に比べて植物の成長が格段に早いという。沖縄などの島々に生えているガジュマルのような木もあり、緑の中を楽しげにジョギングしている人もいる。この丘には羊も放牧され、オークランドに現存する最古の建物というアカシアコテージもある。食事ができる施設もあり、ゆったりと時を過ごせるお薦めの場所だ。


=2017/06/26 西日本新聞=

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