森へおいでよ 筑豊の自然再発見<42>交尾中 そっとのぞいて、ね

西日本新聞

 交尾中のむしを見つけた子供に対し、大人はしばしば「結婚している」と表現する=写真(1)。しかし「交尾=結婚」ではない。むしの生態を現代人の制度や生活様式にたとえるには無理がある。とはいえ、交尾をヒトの行為そのもので言い表すこともはばかられる。筆者は、従って、小さい子供にも「交尾」と言い、このあと雌が産卵する、と付け加えている。

 いずれにせよ、交尾中は見つけやすいが、警戒心が強いので=写真(2)、そっと近づき、じっくりと観察することをお勧めする=写真(3)。例えば、交尾中の雌雄を見比べると、雄の方が触角が大きい(太い、広い、長い…)=写真(4)、複眼が大きい=写真(5)、など気づくことも多い。雌雄の形態的な違いの意義を考える入り口にもなる。

 さて、交尾といえば、トンボに触れない訳にはいかない。まず、トンボの雄は、精子を腹の先端から腹部前方の副性器(第二の生殖器)に移す=写真(6)。その後、雄の尾端に首をつかまれている雌が自身の腹の先端を雄の副性器にあてがい、精子を受け取る。これが交尾で、ハート形やしずく形に見える=写真(7)。その後、雌が他の雄と交尾しないように確保する。これが連結である=写真(8)。

 七夕を機会に、交尾についていろいろと考えてみてはどうであろうか。

【筑豊の自然を楽しむ会(ちくぜんらく)・岸本×太(ばった)】


=2017/07/13付 西日本新聞朝刊(筑豊版)=

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