なぜ?「水路」が1級河川 熊本市の藻器堀川

西日本新聞

 休日の散歩コースにしている熊本市中央区水前寺の住宅地に、小さな川が流れている。幅はせいぜい2メートルちょっとか。水路みたいな感じなのに、橋のたもとの看板を見て驚いた。「1級河川 藻器堀川(しょうけぼりがわ)」と表記されているではないか。1級河川といえば、筑後川や緑川のような大きな川を思い浮かべるのだが…。

 県の資料を調べたら、確かに1級河川と記されている。藻器掘川よりはるかに大きく、熊本城のそばを堂々と流れる坪井川は2級河川だという。うーん、ますます解せない。1級、2級の定義とは?

 国土交通省の九州地方整備局に聞いた。河川法は、国土保全や国民経済にとって特に重要な1級水系のうち、国土交通大臣が指定する河川を1級河川と位置づけているとか。一方、都道府県が管理するのが2級河川。市町村管理は準用河川、これら以外は普通河川と分類される。ちなみに九州7県には1級水系が20、1級河川が1503ある。熊本県の1級水系は菊池川、白川、緑川、球磨川など8水系がある。

 藻器堀川は、1級水系の緑川の水系に属しているから1級河川となる。小さいからってばかにしてはいけないのだ。なるほど、地図で流れを追ってみると、江津湖、加勢川、そして九州7位の流域面積を誇る緑川へとたどり着く。

 熊本河川国道事務所によると、藻器堀川は1972年に熊本市東区長嶺東から加勢川まで延長6・3キロの区間が1級河川に指定された。清掃や補修などの管理は熊本市に委託しているという。その藻器堀川。振り仮名なしで読める人は地元でも少ないのではないか。名前の由来を担当者に尋ねてみたが、はっきり分からないという。

 熊本市河川課の担当者も「公式な記録はないです。うちの課にも、誰も知った人間がおらんのが実情でして」と恐縮しきり。「あくまでインターネット情報ですが、小さなザルを意味する小笊(しょうけ)が由来ではないかとの説があるようです。昔はザルのように水が漏れ、氾濫しやすかったとか…」。確かにネットには、河川改修前は「小さな暴れ者」と呼ばれていたことを伝える地元情報が載っている。

 改めて藻器堀川が流れる住宅地を歩く。コイが泳ぐ清流を楽しめる箇所があるかと思えば、空き缶が沈んでごみが浮かんでいた場所も。「水の都・熊本」の大事な1級河川だ。管理者側もわれわれ住民も、第1級の敬意をもって清流を守りたい。

この記事は2017年06月01日付で、内容は当時のものです

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