森へおいでよ 筑豊の自然再発見<45>魅力の里山 森こそ楽しさの源泉

西日本新聞

 里山の恩恵についてはこれまでも当シリーズにおいてことあるごとに触れてきたが、里山の魅力について語り尽くせたわけでは、決してない。今回は、あえて、里山の真の魅力について考えたい。里山の真の魅力、その森を歩いた時に、来てよかった、また来たい、と思えるような、漠然としたそういう魅力である。

 まずは、森の生き物に会えること。これは、多くの子供にとってカブトムシ、クワガタムシ捕りが人気であることからも明らかである。そしてこれらを入り口に少しマニアックな方面に進む大人も現れる。例えば、陸産貝類。移動能力の低い彼らは地域変異が大きいため、一部の大人の収集癖をかき立てる。特に森林性の種では、森が分断されると絶滅の危険性が急激に増す。身近な森で、そんな絶滅危惧種に遭遇すると喜びもひとしおである=写真(1)。

 次に、生き物への興味にかかわらず人気が高いものが、遊びである。フジやキヅタなどのつるにぶら下がる、ただそれだけでも楽しい=写真(2)。子供から大人までが夢中になる。もっとも大人の場合、降りているのか、落ちているのかの区別が難しいことも、ままある=写真(3)。

 大きな木の丈夫な横枝にロープを結わえ付けて輪っかを作るだけで、大人も大胆に立ちこぎするくらい楽しいブランコになる=写真(4)。童心に帰る瞬間である。

 自由に切り出せる竹やぶとシュロ縄があれば、雨をしのげる程度の秘密基地を作ることもできる=写真(5)。まあ、たいていの場合、時間と労力をかけた分だけ、秘密からは程遠くなるが。

 鎮守の森は、里山という領域の中でも切られずに大事にされてきた部分であろう。神域としての荘厳さは神事に欠かせない=写真(6)

 一方、ほんの少しの木を切るだけでも明るさを実感できる=写真(7)。森が明るくなると、人の表情も明るくなる。

 これら客観的な評価が困難な部分こそ、里山の真の魅力であり、多くの人々をひきよせる。そんな里山の魅力について、人々はもっと知るべきであり、評価すべきである、と考える。

【筑豊の自然を楽しむ会(ちくぜんらく)・岸本×太(ばった)】


=2017/08/03付 西日本新聞朝刊(筑豊版)=

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