「官僚」の不都合な真実とは・・・?報道の見方が変わる、今すぐに読むべき一冊

西日本新聞

 連日ワイドショーを賑わしている「森友学園問題」や「加計学園問題」。その答えがこの本の中にあるといっても過言ではない、実にタイムリーな一冊である。これを読めば、マスコミの報道に対する見方が180度変わるかもしれない。物事を多面的に見ることが、いかに重要かを思い知らされる内容なのである。

 元財務「官僚」である著者が、官僚側からの目線を交え時系列で紐解いていく詳細な解説は、読むと一連の経緯がスッキリと腑に落ちて妙に納得させられる。少なくとも、世間で取りざたされている論点が、かなり現実とズレているのではないかと疑問を持つことができるはずだ。今まで報道に触れるたびになんとなく感じていた微妙な違和感の正体がわかった気がした。何かの強い力によって意図的に隠されているのであれば、真実は報道からはなかなか見えてこないものなのだろう。

 しかも、問題の本質はそんなところにはない。今まで全く知らなかったが、この本の後半に書かれた霞が関の実態がもし本当ならば、そこはまさに闇も闇。すべて自分たちの思いのままに操ろうとしている官僚主導の世界に、「忖度」なんて奥ゆかしいものは初めから存在しなかったに違いない。巨大なヒエラルキーのもと完璧にできあがった既得権益システムを守ろうとする官僚組織は、一般市民から見れば大変興味深く、ある意味滑稽にすら感じる。

 有能な脚本家が霞が関を舞台にドラマを書いてくれたら、病院や警察の世界に匹敵するくらい面白いものになりそうだ。できれば、颯爽とした女性が、プライドの高い官僚たちを次々と倒して改革していくような痛快な出世ドラマを見てみたい。

 それにしても、この法律で守られた日本で暮らしていながら、いったい法律を作っているのが誰なのかということも知らなかった自分がつくづく情けない。「キャリア」という言葉の正しい意味すら知らなかったのだ。この本は、政治に興味がなく、それまでほとんど知識がなかったとしても、ちゃんとニュースが見られるくらいまでには引き上げてくれる効果があるのではないか。薄々感じていた「審議会」の実態なども暴露されており、おかげで読了後は、ニュースを見ながら思わず突っ込みを入れられるくらいまで成長できたように感じる。


出版社:SBクリエイティブ
書名:大手新聞・テレビが報道できない「官僚」の真実
著者名:高橋洋一
定価(税込):864円
税別価格:800円
リンク先:http://www.sbcr.jp/products/4797393200.html


西日本新聞 読書案内編集部

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