年金生活はつらいよ 【第17部】「老後」と呼ばないで<2>

 広げた手帳にはきちょうめんな字がびっしり。日曜を除いてほとんど出勤日の丸印が付いている。「こうして見ると詰まっとうね。すごいなあ俺も」

 武富敏治さん(69)=福岡県粕屋町=は三つの仕事を掛け持ちしている。一度は“隠居”したものの年金は月11万円に届かない。1人暮らしとはいえ「これじゃ何にもでけん」と、また働きに出た。

 介護のアルバイトは、慣れない体勢で腰を疲労骨折した。3週間入院して逆にお金が出ていった。今は新聞配達を週3日、シルバー人材センターで紹介してもらった駅の駐輪場管理や公園の掃除を週3日と、高校の戸締まりを週2日くらいしている。

 放課後、教室を一つ一つ回って窓を閉める。これが結構きつい。蒸し風呂みたいな校舎を4階まで上り下り。もちろんエレベーターなんてない。「昔は用務員さんがしてたけど、どこも人件費があれやけんね」

 それぞれの仕事は1~2時間とはいえ、同じ日に三つ重なることもある。あちこち移動して1日を終えるとヘトヘトだ。こうして月3万~4万円稼いでも貯蓄を切り崩さないといけない。生命保険はとっくに解約した。

関連記事

PR

くらし アクセスランキング

PR