アオカナブン 樹液に集まり、敏しょうに飛ぶ

西日本新聞

 夏の雑木林を見に行くと、そこに生えているクヌギ、コナラ、タブなどの木からしみ出ている樹液のところに、いろいろな昆虫たちが集まっています。私の家の庭の隅にも大小4本のクヌギの木があるのですが、その木の幹からは毎年のように6月ごろから樹液が出始めます。

 すると、この虫たちのレストランに一番初めにアリたちが来て、次いでヒカゲチョウのようなチョウが来ます。やがて、何日もしないうちにカナブンが大勢集まり始め、先客のアリやチョウを追い払うばかりでなく、仲間同士でもその場を争ってけんかばかりしている姿が見られます。

 木に穴が開いて樹液が出ているところを、カナブンがその頭と一体になった硬い上唇を使って掘るようにしてかじるので、ますます樹液が出るようになります。その樹液を求めてクワガタムシやスズメバチも来るようになり、レストランは大にぎわいとなります。

 しかしクワガタムシ、スズメバチ、そして王者のカブトムシが来るようになると、カナブンたちは、その怪力でかみつかれたり、はねのけたりされて、逃げていき、だんだんといなくなってしまいます。みんなが集まるにぎやかなレストランも、力による順位がはっきりしていて、一番強いのは、やはりカブトムシなのです。

 樹液が少ないところでは、カブトムシが数匹も集まると、他の虫たちはもう寄り付けなくなってしまいます。飛ぶのがあまり得意ではないカブトムシやクワガタムシのような甲虫たちの中にあって、カナブンはまるでハチのように敏しょうに飛ぶことができます。その秘密は羽の構造にあると思われます。


=2017/08/15付 西日本新聞朝刊=

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