なぜ?飛行機に乗ると耳の奥が痛い…予防法は?「耳抜き」は逆に耳を傷めることも

西日本新聞

 飛行機に乗るといつも耳の奥が痛み、降りてからも詰まった感じが続きます。「航空性中耳炎」という病気もあるようですが、原因や症状、予防策を教えてください。

 猫の小町と申します。皆さんがお困りのことをたちまち解決していきます。福岡大の坂田俊文教授(耳鼻咽喉学)に聞きました。

  耳の痛みはどうして起きるのですか。

  気圧の変化によって起きます。まずは耳の構造から説明しましょう。耳の奥には「鼓膜」があり、さらに奥の空間が「中耳」です。中耳から伸びる細い「耳管(じかん)」は鼻の奥につながっています=イラスト。

 中耳には少量の空気が入っていて、耳管を空気が通ることにより外部の気圧と中耳の気圧を一定に保っています。飛行機が離着陸のために上昇・下降すると気圧が急激に変化しますが、このとき耳管が詰まっていると調整がうまくできず、気圧差で鼓膜が引っ張られて不快感が起きます。高層ビルのエレベーターや新幹線のトンネルなどでも、同じ事が起きます。

 主な症状は耳が詰まった感じ、音の聞こえにくさのほか、耳や耳の後ろが痛む人もいます。1日程度の軽い症状なら病気とは言えませんが、つらい痛みが続くようなら航空性中耳炎かもしれません。「キーン」という耳鳴りや目まいがする場合も耳鼻科で受診しましょう。

  どんな治療を受けるのですか。

  鼻から耳管に空気を通したり、鼓膜に小さな穴を開けたりして、引っ張られた鼓膜を戻します。通常1週間程度で治りますが、中耳に水がたまっているようなケースはもっとかかります。

  予防策は。

  風邪や鼻炎などの影響で粘膜が腫れると、耳管が詰まって気圧を調整できなくなるので、鼻水や鼻づまりの症状を事前に治療しておくのがポイントです。睡眠不足や二日酔いも腫れの一因となります。

 機内では、上昇や下降する時にアメをなめたり、飲み物を小まめに飲んだりします。飲み込む動作で耳管が開きやすくなるからです。あくびなどで口を大きく開けることも有効です。鼻をつまみ、口を閉じて耳へ息を送り込む「耳抜き」は圧力が強すぎると逆に耳を傷めるため、慣れた人以外にはお勧めできません。

  飛行機用の耳栓が販売されていますね。

  耳を完全にふさぐ物や、小さな穴で気圧を少しずつ調整するタイプがあります。根本的な原因は耳管にあるので、痛みを完全に防ぐことは難しいですが、適切に使えば症状を緩和できます。

 お助けいただき、ありがとうございました。

 ●痛み軽減する耳栓も

 飛行機用の耳栓は、旅行用品売り場などで販売されている。素材によって装着感が異なり、使い捨てと、繰り返し使える物がある。価格も数百円から数千円とさまざまだ。

 DKSHジャパン(東京)の「サイレンシア・フライト・エアー」(1188円)=写真=は繰り返し使えるタイプ。同社は「小さな穴で気圧が緩やかに変化するよう調整し、耳の痛みを軽減する」と説明する。

 耳栓は気圧変化が始まる前、つまり飛行機が上昇・下降を始める前に着ける。耳の穴に隙間なく密着させるのが大事。外す時も急な気圧変化が起きないよう、ゆっくり取る。


=2017/08/30付 西日本新聞朝刊=

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