宇佐神宮自前駐車場、商店街困惑 地元商店街、客離れ懸念

西日本新聞

 宇佐神宮(宇佐市南宇佐)が7月末に自前で新たな有料駐車場を整備する計画が持ち上がり、参道沿いの地元商店街では困惑が広がっている。参拝客が商店街を通りながら神宮に向かう既存駐車場の動線が崩れ、「売り上げ減に直結しかねない」と懸念するからだ。神宮側は「従来の駐車場は神宮から遠く、近くに駐車場がほしいという参拝者からの要望に応えた」と駐車場新設に理解を求める。 

 「7月末までに、新しい駐車場ができます」

 6月中旬、神宮側からの突然の通告。地元の宇佐神宮仲見世会(なかみせかい)(15店舗、高橋宜宏会長)には寝耳に水だった。新たな駐車場は宇佐神宮そばにある神宮所有の空き地約3400平方メートルに整備。乗用車のみ130台収容可能で、参拝者は商店街に迂回(うかい)せず、神宮へ最短距離で移動できるという。

 仲見世会に隣接する既存の駐車場を運営する「宇佐八幡駐車場」(社長・是永修治市長)は、宇佐市と大分交通が50%ずつを出資する第三セクター。乗用車・軽乗用車210台、大型バス20台を収容可能。売上高は減少傾向だが、市からの補填(ほてん)などは受けていない。同社は「少ないパイを食い合うことにはなるだろうが、静観するしかない」と話す。

 しかし、仲見世会にとっては死活問題。ピークだったバブル期には年間280万人の参拝客でにぎわったが、近年は160万人ほどに減少。売り上げも3分の1に激減している。新たな駐車場の出現により、参拝客の動線が移動し、売り上げのさらなる減少に直結する懸念が強い。ただ「持ちつ持たれつの神宮と築いてきた信頼関係にひびが入らないか心配」との思いもあり、声高な批判もできないジレンマを抱える。

 一方、神宮側は「参拝客の利便性向上」と「遊休地の有効活用」などから新駐車場は整備する意向。昨年12月、新駐車場の整備費全額負担や土地代の賃貸契約を3セクに要請。一方、正月など期間限定駐車場として新駐車場の予定地を借りてきた同社は「通年で借りるほどの需要はない」と判断したが、神宮との今後の関係も考慮。通年で予定地も借りる代わりに、約750万円と見積もられる整備費を神宮側と折半するなどの妥協案を提示した。だが今年2月、神宮側が正式に拒否。その後、是永市長らが3回、直接交渉したが不調に終わったという。

 県内では、来年の六郷満山開山1300年や2019年のラグビーW杯など大型イベントが続く。神宮は「今まで以上の参拝客が訪れるのは明らかで受け入れ能力強化は必要。商店街の利益にもつながるはずで理解してほしい」としている。

この記事は2017年07月01日付で、内容は当時のものです。

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