アゴ押しでサラサラ唾液を活発に分泌させれば大病のリスクが激減する

西日本新聞

 脳卒中(脳梗塞、脳出血)は死因のトップ3に入る恐ろしい病気である。しかも、30代40代でも突然発症することがあり、死に至らなくても後遺症が残ることもある。予防できるものならしたいものだが、それには「アゴを押せばいい」という。疑り深い人には、にわかには信じられないかもしれない。しかし、アゴを押せば、疑り深い性格すらも変えられる可能性があるという話である。

 この本の2人の著者は歯科医師と歯科衛生士兼歯ブラシ雑貨店長だ。じつは、虫歯菌や歯周病菌は体内をめぐって、さまざまな病気の原因となる。ひいては脳卒中を引き起こす危険もあるというわけだ。ここまでの知識なら、本書に頼らずとも、健康情報に敏感な人はすでに知っているだろう。では、どうすればいいのか。歯みがきをしましょう、ではない。アゴを押しましょう、というのが本書の推奨するメソッドだ。

 具体的には、アゴの周辺にある唾液腺の主な3つを押すことで唾液を分泌させる。唾液が脳卒中その他の病を引き起こす菌を減らしてくれるので、発症のリスクを下げることができるというわけだ。アゴ押しのやり方は第2章で解説されているので、まずはそこから読んでみてもいい。

 ただ、本書の特徴は、読み進めていくと、独自メソッド以外にも、さまざまな知見を得られるところにある。たとえば、唾液には、サラサラとネバネバある。サラサラの方が望ましいのだが、ストレスの少ない人は唾液がサラサラしている。逆に言うと、サラサラ唾液が出るようになれば、ストレスが軽減される。性格も素直になるという。

 一方、朝起きたときの唾液はだれでもネバネバしている。これは菌のかたまりなので、飲み込むのはよくない。朝1杯の水を飲むという健康法があるが、これも飲むまえにうがいをしないと、菌が胃に入ってしまう。起きてすぐは胃液も活発ではないので、体に悪いということである。

 このように、脳卒中、唾液の話から健康全般へと視野が広がっていく。
「食後の歯みがきが大病リスクを高める」
といった歯や口の健康についての新常識も第3章以降で述べられているので、そういう知識を得たい読者も満足できるだろう。


出版社:マガジンハウス
書名:脳卒中で死にたくなければアゴを押しなさい
著者名:森 昭 森 光恵
定価(税込):1,188円
税別価格:1,100円
リンク先:http://magazineworld.jp/books/paper/2949/


西日本新聞 読書案内編集部

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