県内でも解散に「なぜ?」 消費税、憲法改正「議論深めて」

西日本新聞

 安倍晋三首相が記者会見で衆院解散を表明した25日、県内の有権者からは「国難突破解散」を巡る疑念と賛同の交錯する声が聞かれた。争点となる経済政策や憲法改正、消費税収の使途変更などについて議論を深めるよう注文が相次いだ。

 「本末転倒だ」。消費税増税分の使途変更をいぶかるのは、2人の小学生を育てる島原市の40代女性。国の借金抑制に充てる予定だった増税分の一部を子育て支援などに使う方針だが、女性は「一時的に家計は楽になるかもしれないが、子どもが社会人になれば膨らんだ借金を背負うことになる」と首をかしげる。

 長崎市の男子大学生(18)は「税金が高いスウェーデンは大学まで教育費が無償。消費税率が上がるのは仕方なく、上げた分は教育に回してほしい」と要望。昨年夏の選挙権年齢の引き下げ後では初の衆院選となり、自身も初めての投票に臨む。「公約を口にしても達成できない人がいる。候補者の実績を見定め、投票先を決めたい」と語った。

 「衆院解散で何が変わるのか具体的に分からない。良い方に変わる気がしない」。佐世保市の女性会社員(46)は首相の決断に疑問を投げ掛けた。首相が成果を強調するアベノミクスには「佐世保は相変わらず賃金が低いし、潤っているようには思えない」と厳しい評価を下した。

 五島市福江町のはえ縄業、男性(63)も「株価は上がったが、景気回復が離島に及んでいる実感はない」と漏らす。数年前に比べると魚価は上がったが「五島の漁業者はその日暮らしが多い」と感じている。漁業者が高齢化し、周囲の一番若い漁業者は30代で、それも1人。林さんは「若い世代が漁業に将来性や魅力を感じるよう、漁業で安心して生計を立てていけるような施策を政治には期待したい」と話した。

 首相は北朝鮮への圧力路線に信任を得たいとの考えを示したが、4人の子どもを持つ対馬市厳原町の主婦(37)は、対馬から約50キロの朝鮮半島の緊迫化する情勢に怖さを感じているといい、「なぜ(解散が)この時期なのかよく分からない。選挙にはたくさんのお金も使われるし…」と困惑。長崎市の主婦(69)は憲法改正に関連し「なぜ憲法9条を変え、自衛隊の位置付けを明記する必要があるのか。戦争ができる日本を目指しているように思えてならない」と選挙戦での争点化を求めた。

=2017/09/26付 西日本新聞朝刊=

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