陣営臨戦準備大慌て 新選挙区へ、豪雨被災地へ 衆院解散 福岡1~5区

西日本新聞

 衆院が解散した28日、福岡都市圏の立候補予定者や陣営は東京から急きょ戻ったり、早朝からつじ立ちや事務所の設営準備をしたりするなど、慌ただしく動いた。野党第1党の民進党が新党「希望の党」との事実上の合流を決め、選挙構図は一変。先が見通せない不安や期待の中で事実上選挙戦がスタートした。

■1区■

 午前7時半、民進党ののぼりを立て福岡市博多区でつじ立ちした元職の山本剛正氏。午後、党の両院議員総会の決定を受け、希望の党に公認申請する意向を後援会などに報告し了承を得た。会見では「地域の皆さんの声を届けたいという強い思いで決断した」。

 自民前職の井上貴博氏は夕方、福岡空港に到着した。希望の党について、報道陣に問われると「民進党に小池さんが加わったイメージしかなく、政策が見えない。福岡の発展や安全保障などこれまでの実績を訴えたい」と語った。29日から後援会回りなどを本格化させる。

 共産新人の立川孝彦氏も午前8時から、博多区と東区の7カ所でマイクを握り、安全保障関連法制や原発再稼働について批判。「今こそ、国民の“NO”の審判を突き付けるチャンス」と声を張り上げた。演説には仁比聡平参議院議員が駆けつけた。

■2区■

 「希望の党はあくまでも自民党の補完勢力」と福岡市・天神などで街頭演説したのは共産新人の松尾律子氏。「共産党を中心とした野党が政治を変える」と訴えた。取材に対し、民進党についても「これまで持ち上げてきたのに、裏切られた」と批判した。

 自民前職の鬼木誠氏は福岡市に夕方戻り、午後7時すぎから県議会議長の政治資金パーティーに参加。出席者に握手して回った。その後、取材に対し「(希望の党が)どう影響していくか分からないが、自分が議員であるための野党の離合集散を国民は冷静に見ているのではないか」と述べた。

 「残された日程でやるべきことを最大限やる」と話したのは、民進党から出馬の準備をしていた元職の稲富修二氏。正午すぎの衆院解散は妻らと見守り、「(落選の)5年間の思いをこの一戦に懸けて臨む」と決意を新たにした。夜は南区の事務所で選対会議を開き、戦略を練り直した。

■3区■

 自民前職の古賀篤氏は午後4時すぎ、福岡空港に帰着。報道陣の取材に「いよいよ、という感じ。政治家として次の世代を考えた訴えをしていきたい」と緊張した面持ちで語った。その後、糸島市で開かれた農政連の会合や、中高校時代の同窓生による激励会に出席、選挙の支援を要請した。

 午前7時から、福岡市西区の姪浜駅前でビラなどを配った元職の山内康一氏。立候補予定だった民進党と希望の党との合流に驚きつつ、労働組合など支援団体の訪問を精力的にこなした。午後5時半には早良区の商店街に立ち、「格差社会をつくってきた政治、アベノミクスを終わらせる時だ」と力を込めた。

 共産新人の山口湧人氏は午前7時半から、早良区の市営地下鉄次郎丸駅前で演説。28歳の若さを強調しながら「多くの若者が不安定な雇用に苦しんでいる。誰もが人間らしく働ける雇用のルールをつくる」と声を上げた。午後は新たに選挙区となった城南区七隈に入り、支持を訴えた。

■4区■

 自民前職の宮内秀樹氏の陣営は、福津市に開設予定の選挙事務所で部屋の仕切りを設ける作業を進めた。29日にも引っ越す予定。関係者の一人は希望の党について「逆風が吹かなければいいが。これまでで一番不安」。夕方、東京から戻った宮内氏は福岡空港での取材に「安定した政権で力強くやらせてほしいと訴えたい」と語った。

 前回、比例九州で復活当選した維新前職の河野正美氏。古賀市の事務所では、陣営スタッフが購入したばかりの神棚を取り付けたり、ぞうきん掛けをしたりと選挙準備に追われた。午後5時すぎ、東京から戻った河野氏は粕屋町の交差点で街頭演説。「安倍政権のやり方で本当によかったのでしょうか」と問いかけた。

 共産新人の新留清隆氏は、事務所で打ち合わせや党機関紙発送などを急いだ。午後4時からは古賀、福津、宗像3市の商業施設前など5カ所でマイクを握り、「森友、加計隠しの強行解散に踏み切った安倍政権に厳しい審判を下す機会だ」と与党批判を展開した。

■5区■

 「現職に復帰し、被災地の復旧、復興の先頭に立つ」。民進党公認で立候補する予定だった元職の楠田大蔵氏は午後4時、九州豪雨で被災した朝倉市杷木地区で演説した。希望の党との合流については「正式な連絡がなく今は判断できないが、野党代表で戦う」。

 筑紫野市にある自民前職の原田義昭氏の事務所では、留守を守る陣営スタッフが出陣式の案内発送に従事。選挙事務所になる建物では改装などに当たった。やはり気になるのは、希望の党の動き。陣営関係者は「一般の有権者がどう反応するか。しっかりアンテナを立てておかないと」と警戒した。

 共産新人の田中陽二氏は午後4時、筑紫野市の西鉄二日市駅東口で演説。選挙区内の朝倉市、東峰村の豪雨被災と絡めて「(解散により)不自由な生活を強いられる人々の支援策強化の審議も葬り去った」と政権を非難した。

=2017/09/29付 西日本新聞朝刊=

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