豪雨被災者の心にぬくもりを 朝倉・原鶴温泉が無料開放

西日本新聞

 歴史的豪雨に襲われた福岡県朝倉市杷木地区の原鶴温泉が、地元や同県東峰村の被災者向けに浴場を無料開放している。5日の豪雨以降、予約キャンセルで原鶴も逆境の中だが、それでも「私たちにできる支援をやろう」と災害翌日の6日から足並みをそろえてボランティア営業を始めた。利用者は10日夜までに延べ約5千人。被災者の心をぬくもりで癒やしている。

 11日午前、原鶴温泉の「花と湯の宿 やぐるま荘」。避難所生活や断水で風呂に入れない被災者が汗を流し、近況を報告し合っていた。羽にけがを負った鶴が傷を癒やしたという伝説がある原鶴。同市杷木志波で安否不明の男性の次女(47)と三女(45)は「温泉に入っている間はつらいことを忘れて癒やされる。本当にありがたい」とホッとした表情で宿を後にした。

 宿を経営する師岡哲也社長(46)が5日、「無料開放する」と声を上げた。すぐに原鶴全体に広がり、計10軒の宿が手を挙げた。支援の輪は、筑後川を挟んだうきは市の筑後川温泉と吉井温泉にも広がった。

 汗と泥にまみれ、着の身着のままで避難した人たちも多い。一部の宿では、全国や近くの住民から寄せられた衣服や下着、タオルなどを被災者に提供し、喜ばれたという。

 原鶴も無傷ではない。浸水被害に遭った宿もあり、名物の「鵜(う)飼い」は中断。予約はほぼすべてキャンセルで無収入状態の宿も。経営上は大打撃を受けている。「原鶴は安全です。宿泊の受け入れもできます。被災者のためにも、踏ん張りどころ」と師岡社長。古里杷木のために歯を食いしばっている。

 無料開放の利用は午前11時から午後3時、各避難所から無料送迎バスもある。14日まで継続が決まっている。原鶴温泉協会=0946(62)0001。

この記事は2017年07月11日付で、内容は当時のものです。

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