政党再編業者も直撃 所属決まらずキャンセルも 党名空けて看板製作 印刷数万枚「1日で」

西日本新聞

 衆院選直前の政党再編の波は、与野党だけでなく、看板作りや印刷などの関連事業者にも影響を与えている。希望の党と民進党の合流協議で立候補予定者の所属政党が定まらないこともあって、急なキャンセルや注文が増加。事業者にとっては書き入れ時のため、休日返上覚悟で駆け込みに備える。

 「流動的な政党名だけを空けて、いつでも完成できるようにしている」。広告美術ヒメノ(大分市)は希望の参戦が浮上した後、衆院選用の看板の注文を受けた陣営から製作中断を要請された。

 看板は事務所や演説会に使う。民進、希望の調整状況は見当もつかないが、姫野亨社長(56)は「大物議員の応援は直前に日程が決まることが多いので、徹夜作業もある。今回も覚悟している」と休日もフル回転の構えだ。

 全国展開する選挙ポスター専門会社の担当者も「見積もりをもらったが、所属政党が不透明で作らなかったケースがある」。駆け込みの注文に対応するため、通常は4、5日かかる作業を「特急」仕上げで、即日発送できるようにした。

 一方、福岡市の印刷会社では9月下旬、選挙関連の印刷物数万枚を「1日で納めてほしい」と急ぎの注文が飛び込んできた。担当者は「突然の解散の上、情勢が毎日動いていて右往左往している」と、政治のドタバタぶりにあきれ顔。

 選挙カー専門のレンタル会社(鳥取県)には、衆院選で全国から80件以上の問い合わせがあった。そのうち九州が約3分の1を占める。国政選挙に適した車種は十数台あるが、もう予約でいっぱいだ。

 イベント専門会社アドルーム(熊本市)には、のぼりやたすきの製作、出陣式の会場設営の依頼が届いた。衆院選が公示される10日は3連休の翌日。多くのイベントが控えており、同社の下田博満さん(50)は「最も忙しい時期と重なった。売り上げが伸びるのはありがたいが…」と苦笑いだ。

 選挙事務所に掲げるちょうちん作りの老舗、門田提灯(ちょうちん)店(福岡市博多区)の4代目店主門田明寛さん(56)は「活字にする文言が決まらないことには作業できない。ちょうちんも駆け込み需要があるだろうが、来た球を打つ、の想定で仕上げるだけです」と話した。

=2017/10/02付 西日本新聞朝刊=

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