【対決の構図 '17衆院選おおいた】3区 「因縁の対決」が復活

西日本新聞

 新党「立憲民主党」が発足した翌4日、元民主党衆院議員、横光克彦の元に1本の電話がかかってきた。立民代表の枝野幸男からだった。「うちから出てもらえませんか」

 安倍1強の政治の流れに不安と怒りを抱き続けていたという横光は即答した。「でます」。続けて条件を示した。「野党一本化と連合の支援。めどが付かなければ動けない」

 そこから激流のように「反安倍」を軸にしたリベラル結集が動きだす。横光の立候補意向が表面化した5日、憲法9条改悪阻止など政治姿勢を確認した共産党県委員会は新人の擁立を取り下げた。6日には連合大分が緊急執行委員会を開いて横光の推薦を決定。「知名度は大きな武器。同じ方向を向いていて候補者としてふさわしい」というのが理由だった。

 実は、支持政党だった民進が分裂したことで対応に苦慮していた連合大分にとって横光は「渡りに船」だった。希望を率いる小池百合子側近の若狭勝から一本釣りされて希望の公認候補に決まった浦野英樹と民進県連は微妙な関係だったからだ。

 2014年衆院選大分3区の旧民主党公認で戦うなど「身内」だった浦野は今年2月の大分市議選で民進以外の候補を応援したしこりから5月、民進党を離党していた。希望公認を巡っては県連が推す会社役員男性と争った経緯もあった。「選対は置かない。相談窓口はつくるけど」(県連)。浦野から支援を打診されていた連合大分も「支援対象でない」と答えるしかなかった。

 そこに来て横光の登場。横光が13年に政界引退するまで約20年の衆院議員時代、一貫して支援してきただけに、県教組や高教組から「主戦論」が湧き上がり、推薦候補が決まった。連合大分会長佐藤寛人からも不出馬を説得され、孤立無援となった浦野は7日、記者会見に追い込まれた。「安倍1強体制を崩すために、あえて撤退する」。声を絞り出すしかなかった。

 「選挙は何が起こるか分からない。解散したときは2人かなと思ったら、3人になり、4人、そして3人、今は2人になった。この1週間ほどで。ここまで来たらもう1人辞めてもらいたい」

 8日、杵築市長選の出陣式のあいさつで笑いを誘った自民前職の岩屋毅。横光は03年に小選挙区が現在の区割りになってから4回しのぎを削ってきた因縁の相手だ。「強力なライバルが戻ってきた」。公示まで2日。岩屋は気を引き締める。 (敬称略)

=2017/10/09付 西日本新聞朝刊=

PR

政治 アクセスランキング

PR

注目のテーマ