九州注目の選挙区

西日本新聞

■維新「非自民」受け皿に 福岡4区

 福岡4区は前回衆院選と同様、自民前職の宮内秀樹氏、福岡県内唯一の維新公認で前職の河野正美氏、共産新人新留清隆氏による三つどもえの争いとなった。

 「自分の党でも議論していないことをどんどん進める政治姿勢はおかしい」。河野氏は同県古賀市での出発式で消費税増税の使途変更などをやり玉に挙げ、安倍政権を批判した。7日に希望から推薦を受けたばかり。比例票が流出しかねず「もろ刃の剣」との見方もあるが、支援者には「強引な安倍政権を倒すため、考え方の似た希望との連携は必要」と説明してきた。「非自民」として民進系の有権者の支持にも期待、小選挙区での初勝利を目指す。

 党副幹事長を務める宮内氏はこの日、同県福津市など4カ所で出陣式。「政策で結果を出してきた自公政権とできたばかりの党のどちらに委ねるかの政権選択選挙だ」と声を張り上げた。希望の小池百合子代表を念頭に「リセットします、と自分の都合で(党運営を)進めるのは国民に失礼」とチクリ。陣営関係者は「前回の得票を上積みし、圧勝を目指す」と息巻く。

 新留氏は同県宗像市で演説し「消費税10%中止、憲法守れの声を国政に届けよう」と訴えた。市民団体や労組関係者への浸透を図る。

■加計問題巡り3氏火花 福岡10区

 福岡10区は、自民前職の山本幸三氏に対し、民進出身で希望元職の城井崇氏と、前回比例九州で当選した共産前職の田村貴昭氏が挑む三つどもえの構図となった。山本氏が地方創生担当相として当時国会答弁を担当した加計(かけ)学園獣医学部新設を巡る問題で、3氏は初日から火花を散らした。

 「法律などに基づき手続きを粛々と進めた。何ら問題ない」。山本氏は北九州市小倉北区での出陣式で加計学園問題に言及。政権側の従来の説明を繰り返した。さらに「国会では首相の個人攻撃に終始し大変残念だ」と野党批判も展開した。陣営は「関心を持つ有権者は多く、丁寧に説明すべきだと判断した」と強気の姿勢を示した。

 これに対し城井氏は、同市小倉南区の出発式で「税金の使途のえこひいきが後を絶たない」と加計学園問題を追及。希望の小池百合子代表が掲げる「しがらみ政治からの脱却」になぞらえ、「安倍政権のしがらみを断ち切る」と強調した。

 10区を「必勝区」と位置付ける共産の田村氏も小倉北区の出発式で取り上げ、「政治を私物化し、説明責任を果たそうとしない」と厳しく批判。一方で、希望に対しても「自民と政策が変わらない」と対抗心をあらわにした。

■無所属での出馬影響は 佐賀1区

 佐賀1区は前回、小選挙区で勝利した民進系無所属の前職、原口一博氏と、自民前職の岩田和親氏が3回連続でぶつかる。原口氏には共産が支援に回り、事実上、自民と非自民による2極対決となった。

 希望の公認を公示直前に辞退し、無所属での出馬を決断した原口氏。共産は新人の擁立を取り下げた。佐賀市内での出発式には共産や社民の県幹部も同席。原口氏は「立憲主義が最も大切。命と平和を守るため(自民から)国会を取り返そう」と叫んだ。昨年末、自ら公表した難病にも触れ「私はどんな困難にも負けない」と強調。午後には民進代表の前原誠司氏が来援し「原口さんは小選挙区で勝たないと比例復活はない。どうか力を」と訴えた。

 「景気回復をしっかりと実感できるよう、地方創生をさらに加速する」。比例復活だった前回の雪辱を期す岩田氏は、同市内での出陣式で安倍政権の看板政策をアピールした。農協票を念頭に「佐賀の農業を守っていきたい」と主張。自公の選挙協力に触れ「小選挙区は岩田」と訴える一方、「比例区は公明」と2度強調し、拍手を浴びた。

 政治団体「幸福実現党」新人の中島徹氏も立候補し、同市内で「勇断できる政治を」と訴えた。

■「自民王国」VS野党共闘 熊本4区

 「1票の格差是正」で選挙区数1減となった熊本県では、旧4区の大部分と旧5区が統合され、県面積の半分超を占める熊本4区が生まれた。自民は前職2人の候補者調整が成功。共産を含む「野党共闘」が成立した立憲民主元職との一騎打ちとなった。

 「園田先生と二人三脚で(4区を)守っていく」。自民前職、金子恭之氏は八代市での出陣式で、旧4区の自民前職、園田博之氏の名前を7回繰り返した。

 金子氏の傍らに立った園田氏は、比例九州単独1位が決定。園田氏の主地盤、天草地域の県議は「(上位登載に奔走した)県連に報いるため天草から票を出す」と意気込む。金子氏は早速、園田氏とともに天草入りし、街頭に立った。

 強力な「自民王国」に挑むのは、民進出身の立憲民主元職、矢上雅義氏。いったんは希望への公認申請を表明し、無所属、立憲民主へと、公示直前まで次々に立場を変えた。「マイホームに戻ってきた」。人吉市での第一声で、揺れた心中をこう表現した。

 「共産、社民の支援を一番受けやすい」(陣営)形となり、「反安倍」で一本化できた矢上氏は「今度は勝たせてもらいます」と気勢を上げた。

=2017/10/11付 西日本新聞朝刊=

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