豪雨の爪痕、各候補配慮 選挙カーの声絞り、個人演説会見合わせ

西日本新聞

 九州豪雨で被害に遭った朝倉市と東峰村を含む福岡5区の各候補者は、選挙カーの音を絞ったり、人を集める個人演説会を見合わせたりするなど被災者に配慮している。復旧、復興は道半ばだけに、多くの被災者が選挙自体に憤りながらも、「被災地復興を含めた具体的な施策を示してほしい」と注文している。

 「被災地だからといって全く入らない訳ではない。配慮はするが普段通りの活動をする」と説明するのは、自民党前職の原田義昭氏の陣営。原田氏は16日に朝倉市と東峰村入り。市の仮設住宅では選挙カーを使わずにハンドマイクで演説した。

 住宅や小学校などが被災した松末地区では、選挙カーの呼び掛けの声量を落とした。原田氏は「被災地にも政策をきちんと訴える必要がある」と強調する。

 公示日翌日の11日、希望の党元職の楠田大蔵氏は、ボックス型の軽自動車を利用した選挙カーで、特に被害が大きかった杷木地区に入った。被災者のことを考え「あまり目立たない選挙カーを用意した」と楠田氏。道路状態が悪い場所もあり、軽自動車の方が小回りも利くという。

 陣営は被災地では、支持者を集める夜の個人演説会を見合わせ、昼間、不特定多数が集まる場所での街頭演説に力を入れている。

 共産党新人の田中陽二氏の陣営も、配慮はするが通常通りの選挙活動を行うという。

 被災地では、仮設道路の応急工事が終わり、壊れた住宅の再建や農業施設などの復旧が本格化していくが、今後の生活に不安を抱く被災者は多い。

 田中氏は「選挙で使う予算があるならば、被災地に生かしてほしい」としている。選挙戦では被災者の生業再建の支援などを訴えている。

 候補者に対して、被災地の有権者は厳しい視線を送る。朝倉市の仮設住宅で暮らす農業町田実さん(64)は豪雨で自宅や畑が被災しており、「本来ならば国として、予算をつけて1日でも早く復興のあり方を決めてほしいのに」。同市の建設業伊藤十平さん(62)は「国民の目線ではない解散だったが、選挙があるからには、被災地の復興、国防、教育など山積する課題を解決できる政治家や政党を見極め、1票を投じる」と話している。

=2017/10/19付 西日本新聞朝刊=

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