政治への関心保とう 22日投開票 鹿大で若者の声聞く

西日本新聞

 22日投開票の衆院選。憲法改正といった国の将来像を左右する争点もあれば、消費税や幼児教育無償化など暮らしに密接なテーマも問われている。今回の選挙戦を若者たちはどうみているのか-。鹿児島大のある講義を取材して、その声に耳を傾けてみた。

 取材したのは全学部共通科目「日本国憲法」(渡辺弘准教授)。主権者教育の一環で18日の講義は衆院選を取り上げた。工学部、水産学部の2年生を中心に約15人が意見を出し合った。

 幼児教育の無償化について、ある男子学生は「教育は親の熱意によってさまざまであるべきだ。国が一律に負担する必要はない」と述べ、限られた財源に配慮を求めた。これに冨岡奈那子さん(20)は「若い世代にとっては子どもを産みやすくなる。少子化対策にもつながる」と反論した。

 冨岡さんは今回、子育て政策や消費税増税を巡る論戦に注目している。「ただ子育て支援はどの政党も耳当たりの良いことしか言っていないと感じる。将来負担はどうなるのか。しっかり見極めたい」

 議論が集中したのが、安倍晋三首相が主導し自民党が公約に掲げた憲法改正。渡辺准教授は「改憲勢力が3分の2を超えた場合、国民は賛成したと言えるだろうか」と問い掛けた。

 ある学生グループは「国会での発議、国民投票の手続きを踏まなければいけない」として、直ちに賛成とはいえないと主張。「公約は他にもあるので、改憲だけに賛成したと評価できない」との意見もあった。

 自民党が掲げる、憲法9条に自衛隊を明記することはどうか-。ある学生が「自衛隊を戦力でないというのは無理がある。自衛のための最小限の武力は必要」と言うと、上堀内佑花さん(20)は疑問を呈した。「明記してしまうと、自衛隊が際限なく拡大される恐れがある。そうなれば今の平和な日本はどうなるのか」

 江島航さん(21)は講義終了後も悩んでいた。「改憲は賛否どちらの考えも理解できる。簡単には決められない」。その上で「選挙後の国会議論を注視したい」と語った。

 選挙は私たちの思いを託す大切な機会。ただ、選ばれた人物や政党が公約を守るか、公約にないことを突然打ち出さないかをチェックすることも欠かせない。「選挙後」こそより重要ともいえる。政治への関心を保ち続けること。それは若者だけの課題ではない。

=2017/10/21付 西日本新聞朝刊=

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