柿食えば…メタボ対策に 短い旬を堪能 意外な食材としても

西日本新聞

 柿が豊富に出回る季節になった。「医者いらず」とか「二日酔いに効く」とか、健康効果はよく耳にするが、その機能性はどんなものだろうか。

 「柿を食べればメタボリック症候群の対策になる」。そんな情報を聞きつけ、中村学園大(福岡市)の太田英明教授(食品加工学)に尋ねた。

 昨年、柿をメインに作った一汁三菜形式の弁当を1日1回、3週間にわたって30~60代の男性30人に食べてもらい、磁気共鳴画像装置(MRI)による画像データで内臓脂肪面積を比較すると、平均8・4%減少したことが分かったという。

 実験に携わった太田教授によると、こうした健康効果をもたらす可能性が指摘されているのがポリフェノールの一種カキタンニン。実の黒い粒々の渋味成分で、血糖値上昇の抑制やコレステロール低下も期待できるとの報告もある。

 カロチンやビタミンC、ミネラルも含まれる。抗酸化作用や二日酔いに効くとされる成分もあり今後、実験で実証したいという。

 研究主体は福岡県内の産官学36団体で組織した福岡食育健康都市づくり地域協議会(事務局=同大経営企画室)。県は脳梗塞による死亡者数が全国ワースト9位などメタボに起因する生活習慣病の患者が多いため、県産農産物を生かして低減を図る農林水産省の補助事業を活用した。

   ◇   ◇

 柿をデザートだけでなく食材として活用し、できるだけ多く食べてもらおうというのが協議会の提案だ。「誰もが知っているのに家庭料理ではあまり使われない意外性のある食材」と語るフランス料理専門の三堂徳孝・同大教授(調理学)に活用法を教わった。

 柿の優しい甘味と、繊維質がありながらも軟らかな食感を生かすメニューとして紹介してもらったのは「柿とカブのゆず香漬け」と「柿入りおこわ」。いずれも柿の存在感を残すため大きめに切る。おこわは加熱しすぎないのがこつだ。

 このほかサラダにまぜるのは定番。すりおろして照り焼きのソースにするとか、みそ汁に火を止めてから入れるなど、手軽に使ってみてほしいという。「柿の旬は意外と短い。新感覚の食材として、家族をびっくりさせるのも楽しいのでは」と話している。

 柿の学名はディオスピロス・カキ。神からの食べ物という意味で、カキの呼び名が付くことからも、日本人になじみ深い存在であることが分かる。旬を味わうという和食の神髄そのままに十分に堪能したい。

 ●柿とカブのゆず香漬け

【材料2人分】カブ50グラム/柿50グラム/ミツバ適量/昆布1・6グラム/ユズ適量▽漬け汁=柿酢小さじ1/米酢大さじ1/砂糖小さじ1/塩少々/みりん小さじ1

【作り方】(1)カブと柿の皮をむき、カブはいちょう切りにして振り塩を、柿は短冊切りにする(2)(1)に細切りにした昆布と、ユズの搾り汁、皮の千切りを入れ、漬け汁に漬け込む(3)ミツバは軸をさっとゆで、2センチの長さに切り、盛り付けるときに合わせる。

 ●柿入りおこわ

【材料3~4人分】もち米1合/うるち米1/2合/干しえび15グラム/干し貝柱5グラム/ニンジン20グラム/シメジ60グラム/油揚げ30グラム/柿150グラム/塩少々/昆布だし1カップ/酒小さじ2/薄口しょうゆ小さじ2/ミツバ1/3束

【作り方】(1)米は合わせてとぎ、水に漬けておく(2)干しえびと干し貝柱はぬるま湯で戻しておく(3)ニンジンはみじん切りに、シメジは小房に分ける。油揚げは油抜きして5ミリ幅に切る(4)柿は皮と種を除き1センチの角切りにして塩をする(5)炊飯器に昆布だしと酒、薄口しょうゆを入れ、米と具材を加えて炊く(6)炊き上がったら(4)をのせ、10~15分蒸らす(7)さっと湯がいて2センチに切った三つ葉を合わせる。※米は、すべてうるち米でも可。


=2017/10/25付 西日本新聞朝刊=

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