皮は青々 意外な甘さ 熊本・津奈木町のスイートスプリング

西日本新聞

 11月上旬、熊本県津奈木町の不知火海に面した山の斜面に、大人のこぶし大のミカン、スイートスプリングがたわわに実っていた。「温暖な気候、日当たりの良さ、適度な降雨、それに不知火海のミネラルを含んだ海風でよか味になっとです」。案内した町物産館「グリーンゲイト」の松本修平所長(56)が胸を張る。

 青々とした表皮のまま食べ頃になるのが特徴だ=写真。外見からは想像できない爽やかな甘さ。意外性がファンをとりこにする。12月中旬までは表皮に青みが残り、歳暮用に人気が高い。その後は次第に黄色くなり、完熟の味を好む人もいる。

 一時期は「幻のミカン」と呼ばれた。津奈木など芦北地域はかつて甘夏の日本一の産地。JAはポスト甘夏を求め、さまざまな品種を試みた。スイートスプリングもその一つだったが、デコポンの人気が勝り、忘れられた存在となった。

 ただ、「どこも作ってないからこそ、町の特産品にできる」と着目した有志が2005年、部会を結成。わずかに残っていた果樹を増やし、減農薬で育てた。

 「やるからには日本一の味に」と勉強会を続け、今は平均年齢60代半ばの農家約20戸が生産。グリーンゲイトを通じ消費者に直接届けている。自分たちで守ってきたという愛情が深い分、皆で食味を確かめ合い、納得するまで出荷しない。

 29日~12月3日、福岡市・天神の「みちのく夢プラザ」で催される津奈木町観光・物産展で、試食と注文ができる。

 ▼津奈木町のスイートスプリング グリーンゲイトが注文受け付け中で、12月上旬から発送。5キロ2980円、10キロ3980円(送料・税込み)。グリーンゲイト=0966(78)2000(第1水曜休館)。


=2017/11/25付 西日本新聞夕刊=