山の幸ぎっしりの宝箱 熊本・五家荘のおせち

西日本新聞

 伊勢エビに金箔(きんぱく)黒豆、シェフ監修に桐箱(きりばこ)入り…。師走になると、活気づくのが正月のおせち商戦だが、昨年の今頃、気になるおせちチラシに出合った。

 見出しは「五家荘の宝箱」。ん? 五家荘って、あの平家落人の里の? 好奇心と食欲につられ購入してみたら、驚いた。ヤマメの薫製、黄金イクラ、イタドリ、フキ、イワタケ、栗、ゆず皮、赤大根、豆腐のみそ漬け、煮しめ、鹿肉の角煮…。届いた箱には山の味覚がぎっしり=写真。食材の珍しさに加え、甘・辛・酸と味のバランスも絶妙で、暮れの宴会で疲れた胃袋をいたわってくれた。

 「きっかけは4年前、民宿のおかみさんたちと、食の力で地域の魅力を発信できないかと話し合ったこと。冬場に五家荘へ来られない方にも、食を通じ、この地の良さを伝えたいという提案が出て」と、7軒の民宿でつくる五家荘宿の会事務局の中村和博さん(42)。

 山菜を摘み、ユズや栗を収穫し、鹿を追ってヤマメをさばくのは、ほとんどが70代以上。過疎と高齢化が進む中、地域の未来は自分たちで切り開こうと、各宿自慢の逸品や郷土料理を20種余りそろえたら、五家荘の恵みと暮らしがぎゅっと凝縮された、宝箱のようなおせちができた。希少な食材で手作りするため、200セットが限界という。

 料理の向こうに、山里で受け継がれてきた食文化と、おかみさんたちの笑顔が見えるおせち。新しい年の始まりにどうぞ。

 ▼五家荘のおせち 23種のおせちと五家荘産茶のセットで1万6000円(税込み)。送料は熊本県内600円、県外一律700円。重箱は別。五家荘宿の会中村さん=090(9592)3869。


=2017/12/02付 西日本新聞夕刊=

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