豪雨で犠牲、愛犬悼む 日田でペット合同慰霊祭 大鶴地区藤井さん「泣いてばかりだと悲しむ」

西日本新聞

 大分県日田市玉川3丁目のこうだ玉川斎場で1日、ペットの合同慰霊祭があり、飼い主らが静かに手を合わせ、冥福を祈った。同市大鶴地区の会社員藤井浩喜さん(56)と愛さん(44)夫妻は、愛犬「テン」を九州豪雨で亡くした。大切な“家族”の死に「まだ実感は湧かないけど、泣いてばかりだとテンが悲しむから」と前を向く。

 テンは雑種で7歳。スイカが大好物で「甘え上手で、人の気持ちを理解してくれる子でした」。子どもがいない藤井さん夫婦は家族同様、愛情いっぱいに育てた。体調が悪い時には心配そうに寄り添ってくれ、夫婦げんかの時には2人に近寄り“仲裁”することも。

 豪雨当日、夫妻は仕事で留守だった。雨がひどくなった午後3時ごろ、浩喜さんはテンを助けようと家に向かったが川が氾濫し、消防団員に制止された。車が通れない道を翌日、1時間半かけて歩いて戻ると、自宅は裏山の土砂が埋め尽くし、変わり果てた姿になっていた。テンが土砂の中から見つかったのは数日後。「雨も雷も苦手だった。怖かったね」。夫妻は丁寧に体を洗い、火葬した。

 3カ月がたった今も夫妻は市内の親戚宅に避難し戻れるめどは立っていない。日々の生活で精いっぱいだったが「そろそろ落ち着いた場所に預けたい」と1週間前、こうだ玉川斎場のペット納骨堂に安置した。

 慰霊祭には約50人が参列し読経の中、次々に焼香。ペットをしのんで手を合わせていた。藤井さん夫婦も手を合わせ、テンの写真に語りかけた。「これだけたくさんの友達がいるなら寂しくないね。また来るから」

この記事は2017年10月03日付で、内容は当時のものです。

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