「食後」よりも「食前」が大事!?肺炎を防ぐには、まず「口」から!

西日本新聞

 今や「がん」「心疾患」についで日本人の死因第3位になっている「肺炎」。高齢者の口腔ケアについて長年研究を重ねてきた著者が肺炎を予防し、健康寿命を延ばすためのヒントを解説している。

 なぜ口腔ケアすることが肺炎予防につながるのか。この本の筆者、米山武義氏は歯学博士。「歯医者さんがなぜ肺炎の本を?」と不思議に思った人もいるだろう。

 米山氏は歯科医として約40年、訪問診療や介護施設で口腔ケアに携わってきた。その経験から口腔ケアをきちんとしている高齢者に肺炎患者が少ないことに気づき、「口腔ケアには、肺炎を予防する効果があるのではないか」という仮説を立て、全国11もの特別養護老人ホームで2年間調査を実施した。なんと口腔ケアを行うだけで「誤嚥性肺炎」が4割も減っていたという結果が出たのだ。こうした自身の経験から書かれている本書の内容には説得力がある。

 高齢者の肺炎のほとんどは、飲み込む力が低下することで起こる誤嚥性肺炎と呼ばれるもの。飲食物が食道ではなく、気管に入ってしまって起こる。しかし、口の中の細菌が肺の中に入り、発熱することもある。つまり口の中をきれいに保っていれば、肺炎の発症を抑える効果があるということだ。これは口が乾燥していると風邪を引きやすくなるのと同じではないだろうか。高齢者に限らず、口の中をきれいに保つことは健康への近道なのだ。

 本書の後半では具体的な口腔トレーニングや歯磨きのやり方がイラスト付きで分かりやすく紹介されている。前半部でなぜ口腔ケアが大切なのか理解した後は、正しい口腔ケアを学べる。高齢者の介護に携わっている人にとっては一読に値する良書だ。

 また口腔ケアに関しては、40代50代から始めておくべきだと著者は説く。肺炎と聞くと、高齢者の病気というイメージかもしれないが、元気なうちから口腔ケアの習慣を身につけておけば、肺炎だけでなく健康寿命は間違いなく延びる。まだまだ自分は大丈夫と思っている中高年層こそ、読んでおくべき内容だろう。


出版社:青春出版社
書名:肺炎は「口」で止められた!
著者名:米山武義
定価(税込):1,080円
税別価格:1,000
リンク先:http://www.seishun.co.jp/book/19389/

西日本新聞 読書案内編集部

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