新幹線技術を輸出するプロジェクトに関わった大手メーカーの技術者に話を聞いたことがある

西日本新聞

 新幹線技術を輸出するプロジェクトに関わった大手メーカーの技術者に話を聞いたことがある。一緒に働いたJR関係者の安全性に対する「頑固さ」に舌を巻いたという。

 新幹線とは、車両だけでなく軌道、信号、運行管理、保守点検なども含めた一つのシステム。積み重ねが大事であり、一つでもないがしろにすることは許されない-。「数値上は安全、では納得しない。科学や論理を超え、伝統芸能に近いこだわり方だった」

 新幹線のぞみの台車に亀裂が見つかった。異常が察知された後も運行を続けていた。もし脱線していたら、と思うと背筋が凍る。「頑固さ」のどこかに、隙があったのか。

 先の技術者は原発の専門家。福島の事故を受け「JRのようなこだわりが私たちには不足していた。慢心があった」と率直に打ち明けてくれた。科学技術にリスクはつきもの。だからこそ、たゆまぬ努力が要る。「安全神話」は存在しない。 (相本康一)

=2017/12/22付 西日本新聞朝刊=

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