会計検査院報告 いつまで続く「無駄遣い」

西日本新聞

 国や関係機関が国民の血税をでたらめな形で使っている実態が今年も明らかになった。会計検査院は2016年度決算検査報告で、国費の「無駄遣い」や「不適切な会計処理」が計874億円もあったと指摘した。

 いつまで同じことを繰り返すのだろう。納税者の怒りがまだ分からないのか。改めてあきれる。

 「使い道のない余裕資金」を1兆円余り指摘した前年度に比べて1兆1315億円減った。過去10年で最少だ。とはいえ大幅改善と胸を張れる金額と内容ではない。

 例えば、米軍普天間飛行場の辺野古移設に絡み防衛省が反対派対応として民間発注した警備業務は規定額でなく業者見積もりのまま1億8884万円も過大に支払っていた。福島第1原発事故に関連して国立研究開発法人・量子科学技術研究開発機構は健康管理システムを4億2701万円で構築し保守に1億2919万円投じたが、ほとんど利用されなかった。

 検査報告でやり玉に挙げられる“常連”の一つが日本年金機構だ。今回は国民年金保険料の未納・延滞金の督促や財産差し押さえを怠ったため、14~16年度に消滅時効が成立して計2億1558万円を徴収できなかった。前年度は年金10億7483万円を誤って支払ったと指摘された。不祥事やミスを繰り返す年金機構に国民の老後を安心して託せるのだろうか。

 18年度税制改正大綱がまとまり、会社員の所得税など年間2800億円規模の増税が決まった。だが、増税の前に政府はやるべきことがある。無駄遣いの一掃だ。

 検査院が指摘した無駄遣いなどの額を最近10年の平均でみると年間5300億円を超す。それも氷山の一角にすぎない。

 今回の検査報告には評価額9億5600万円の国有地が学校法人「森友学園」に格安の1億3400万円で売却された問題は含まれていない。検査院は独自試算の上で別途報告をまとめたが、正当な売却額は記載しなかった。内閣から独立していても国の行政機関である検査院の限界も垣間見える。


=2017/12/22付 西日本新聞朝刊=

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