タンスは蹴破られ、棒で突いたような穴が無数に開いていた

西日本新聞

 タンスは蹴破られ、棒で突いたような穴が無数に開いていた。引き戸は壊されて外枠しかない。何かで殴ったり、引っかいたりした跡がいくつも残る壁には、大きな文字で「絶縁」と彫られていた。

 3年前に取材した18歳の少年の自室。彼は中2の秋に不登校になり、引きこもった。原因はいじめ。テレビとゲームに明け暮れ、やがて暴れ始めた。家族は公的機関に相談したが、らちが明かない。「人を殺す」。少年の叫びを聞いた父親は恐怖を感じ、警察に通報。少年は入院した。「役所も警察も当てにならん。どうすれば良いのか」。疲れ切った父親が記憶に残る。

 私の21歳の長男も中2で不登校になった。引きこもりはしなかったが本人も親も苦しんだ。通信制高校から専門学校に進み中退。今はフリーターながら不思議と勤めは無欠勤。年明けからラーメン店で正社員になる予定だ。何とか踏みとどまってくれた長男に感謝。頑張れ。 (江藤俊哉)

=2017/12/23付 西日本新聞朝刊=

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