英国の2枚の舌は後世に悪評と禍根を残した…

西日本新聞

 英国の2枚の舌は後世に悪評と禍根を残した。第1次大戦中の秘密外交である。1枚は、戦争に協力すればアラブ人の独立を認めると約束したフセイン・マクマホン協定。信じたアラブはオスマン帝国と戦った

▼もう1枚は、ユダヤ資本家の協力を得るため、パレスチナでのユダヤ人国家建設への支持を表明したバルフォア宣言。これによりユダヤ人が続々と移住し、アラブ系のパレスチナ人との対立が深まった

▼第2次大戦後、英国からパレスチナ問題を丸投げされた国連はパレスチナ分割を決議。米国の意向で、少数派のユダヤ人に約6割、アラブ人に約4割を割り当て、宗教対立の火種となる聖地エルサレムは国際管理とした

▼決議に基づいて建国したイスラエルと、認めないアラブの間で中東戦争が起きた。勝利したイスラエルはエルサレム西側を領有し、後に東側も実効支配。土地を追われた多くのパレスチナ人は難民となり、紛争は今もなお

▼現代にも、たちの悪い二枚舌。トランプ米大統領が、エルサレムはイスラエルの首都と認定した。一方に肩入れしつつ「中東和平の仲介役を務める」とも。当然、パレスチナ人は猛反発し、中東情勢は不安定に

▼国連総会は圧倒的多数で米国の方針撤回を求めた。トランプ氏は、米国に反対する国には経済支援しない、と見苦しい圧力。米国第一、支持者第一の大統領には歴史に学ぶ知恵も謙虚さもないのか。


=2017/12/23付 西日本新聞朝刊=

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