米国の社会学者の著「ジャパン・アズ・ナンバーワン」がかつてベストセラーになった…

西日本新聞

 米国の社会学者の著「ジャパン・アズ・ナンバーワン」がかつてベストセラーになった。東南アジアの首相が「日本に学べ」と説いた時代もあった

▼自国が海外でどう見られているかを日本人は特に気にする。戦後の経済成長速度が称賛された20世紀後半の一時期は、日本にとって最良の日々だった。バブル崩壊で既に遠い過去

▼日本に学べと言った人は、世紀が変わると日本を反面教師にした。海外出版物の論調も「日本の時代は終わった」に変わりつつある。その一つを紹介する。「22世紀から回顧する21世紀全史」(ジェントリー・リー、マイクル・ホワイト共著、アーティストハウス、2003年)

▼次世紀から今世紀を顧みる“歴史書”仕立てで書かれている。アジアの最強国は日本から中国に変わるとする予測はとっぴではないが、日本が屈する形で事態は進むという展開予測が私たちを驚かせる

▼2016年に起きる、と同書が予測した「印パ核戦争」は起きなかった。日本の衰退も対中国の姿も外れる側に回るだろう。ただ「21世紀初頭の日本の指導者たちの理想や勇気の欠如」から衰退を予測する視点は、21世紀初頭を生きる日本人に警鐘を与える

▼予測に屈しない政治が必要だ。日本に学び直せ、と言わせる新しい国の形が要る。土台になるべき経済の質を劣化させる企業不正の頻発は不快な予測に手を貸す。そんな危うい現実がもどかしい。


=2017/12/24付 西日本新聞朝刊=

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