力走、豪雨被災地に勇気 高校駅伝4位、大分東明 東峰村出身の熊谷選手

西日本新聞

 郷里を襲った豪雨禍、左足を故障した夏のアクシデント…。24日に京都市であった全国高校駅伝の男子で4位入賞した大分東明(大分市)の1区を走った2年熊谷奨選手(16)は、7月の九州豪雨で大きな被害に見舞われた福岡県東峰村の出身。「自分の走りで古里を元気づけたい」。家族や郷里への思いを胸に秘め、困難を乗り越えて都大路を走り抜いた。

 熊谷選手は東峰中から駅伝の強豪、大分東明に進学。昨年の都大路でも5区を走り、チームは過去最高の4位に入った。「次はもっと上を」と練習に打ち込んでいたさなかに、九州豪雨が古里を襲った。

 東峰村では土砂崩れや斜面崩落が相次ぎ、多くの集落が孤立。幸い家族は無事だったが自宅は床下浸水。家を流されたという中学の後輩の話も聞いた。

 自分にできることはと考えたとき、浮かんだのは走ることだった。家族も応援してくれていた。「村は大きな被害を受けた。いい走りを見せて少しでも元気になってもらいたい」。陸上に打ち込むことで、お世話になった人々を勇気づけようと決意。左足を痛めるアクシデントで十分な練習ができない時期もあったが、古里には帰らず治療に専念し、大会に備えた。

 迎えた今年の都大路。各校の精鋭ひしめく1区を任された。ハイペースの先頭集団に懸命に食らいついた。終盤でやや離されたものの、粘って区間14位。チームに流れを呼び込んだ。

 応援に駆け付けた父の久男さん(52)は「1区と聞いてハラハラしたけど、古里のみんなも喜んでくれたと思います」。チームの後輩で同じ東峰中出身の1年、青木森(しん)さん(16)も「いつも頼りになる先輩。すごくいい走りでした」と快走をたたえた。

 目標の優勝には届かなかったものの、チームは過去最高タイムでの4位。「来年はもっと上の順位を狙う」。次を見据えて走り続ける。

=2017/12/25付 西日本新聞朝刊=

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