行橋新図書館建設の是非、市長選の争点に浮上か 住民投票条例案、僅差で否決

西日本新聞 北九州版

住民投票条例の制定案を採決した行橋市議会12月定例会(21日午前) 拡大

住民投票条例の制定案を採決した行橋市議会12月定例会(21日午前)

 行橋市が進める旧宴会施設・ミラモーレ(同市大橋3丁目)跡地に新図書館を核にした複合文化施設の建設を巡り、市民団体が請求した建設の是非を問う住民投票条例の制定案が21日の市議会で僅差で否決された。建設に異議を唱える市民の中には来年2月の市長選に対立候補の擁立を望む声もあり、建設の是非が争点になる可能性が高まっている。

 計画は2015年に持ち上がった。市立図書館を核として、託児所などをテナントとして入居させ、管理運営も民間に任せる施設だ。中心市街地の活性化が目的で、事業は民間の資金と運営ノウハウを活用する「PFI方式」を採用する。

 一方、35年3月末までに約50億円を投じる計画に「将来に禍根を残す」などと異議を唱えた市民の一部は昨年12月、「『図書館建設まった!』の会」を結成。市議の一部で構成する「図書館を考える議員連盟」と連携し、反対運動を展開。白紙撤回を求める請願と賛同する約1万6千人分の署名を添えて、今年3月議会に提出したが、否決されていた。今回の制定案はその運動の延長線上だった。

   ◆    ◆   

 市議会は、賛否が拮抗(きっこう)した。制定案を審議した総務委員会では可決した。本会議では3人の議員が退席、議決に加わらなかったことから20人のうち議長を除く16人の議員で採決。8対8の可否同数になったため、諫山直議長が加わり、制定案に反対を表明、賛成少数で否決した。

 傍聴していた制定案請求者の一人の山下宏道さん(66)は「建設の是非を市民に決めさせてほしいとの思いだった。議会は市民の声に耳を傾けているのか」と落胆した様子。またある男性傍聴者は「住民投票で建設の是非の決着をつければいいのに」と不満を口にした。

   ◆    ◆   

 次期市長選(来年2月18日告示、同25日投開票)には、現職で2期目を目指す田中純市長(71)が8日、立候補を表明。ほかに出馬を模索する動きがあり、選挙となる公算が大きい。

 請願、住民投票条例の制定案のいずれも否決された同会。会員の中には「建設に待ったをかける候補ならば応援したい」との声がある。「対立候補が出て、田中市長と図書館建設を含めた政策論争をすることで市民が市政を考えるきっかけになる」と語る市民もいる。

 一方、田中市長は「図書館建設が争点になれば住民の理解が得られるように説明する」として一歩も引かない様相だ。

=2017/12/25付 西日本新聞朝刊=

PR

アクセスランキング

PR

注目のテーマ