中村梅雀が初の渡世人役 「雨の首ふり坂」1月8日放送

西日本新聞

「甘さが出ないようにした」

 時代劇専門チャンネルの新作ドラマ「雨の首ふり坂」で中村梅雀が初めての渡世人役に挑んだ。朗らかな笑顔が印象的な俳優だが、今作では殺しを請け負い、諸国を渡り歩いてきた男を演じている。「(人情に揺れる)甘さが出ないようにと心掛けた。表情や声の出し方など今までと全く違うものにしようと思い、それに自分がなじむまでとても集中した」と振り返る。

 池波正太郎の短編「雨の杖(つえ)つき坂」を原作とする戯曲「雨の首ふり坂」がベースになっている。長脇差を多くの人の血でぬらし、追われる身となって隠れ住む老渡世人、白須賀の源七を主人公に据えた物語で、池波作品にしては珍しく侍が出てこない。

 源七役の梅雀は、舞台で父親の代役として渡世人を演じたことはあったものの映像作品では初めて。追われる身でいつも緊張している役柄だったせいか、仕事から離れても「寝ている間に普段はしない歯ぎしりをしていた」と苦笑する。

 源七は家族を捨てた孤独な男。だが、隠れ住むうどん屋では、家族のような人の温もりが身に染みる場面もある。「本当は家族が大事だと分かっていても、そうは生きていけない男のかなしさや厳しさ、美学を描いている」と語る。

 数多くの池波作品に出演してきた。その良さに、自らの正義を貫くための死の決意と、最期に過去に縁があった人々を回想する情の深さといった二つの「男の美学」を挙げる。両方の魅力を盛り込んだ今作のクライマックスは「原作とも脚本とも違う」と断言する。

 番組は来年1月8日午後6時からJ:COMプレミアチャンネルで放送。三浦貴大、中尾明慶、大杉漣らが出演する。

=2017/12/26付 西日本新聞夕刊(娯楽面)=

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