イシグロ氏の手紙一般公開へ 県、長崎市が報道陣に披露 知事「古里の共有に誇り」 市長「見えない糸感じる」

西日本新聞

 県と長崎市は27日、ノーベル文学賞を受賞した同市生まれの英国人作家カズオ・イシグロ氏から、中村法道知事と田上富久市長に宛てられた手紙を、それぞれ報道陣に正式公開した。受賞を祝う手紙への返信として11月下旬に届いた。県と市は今後、本人の承諾を得た上で一般公開する方針という。

 祝いの手紙は県と市が関係先を通じて送付。市はこの日の定例会見に合わせて訳文とともに公開し、田上氏は「返事が来るとは想定していなかった。イシグロ氏と長崎が見えない糸でつながっていると感じ、うれしく思った」と述べた。

 イシグロ氏は県の手紙への返信で「深い感銘を受けた」とし「受賞の喜びと誇りを県民の皆さまとも分かち合えたことをうれしく存じます」とつづった。中村氏は「生まれ故郷を大事に思っていただいていると実感する。そんな古里を共有できることは、われわれにも誇りだ」と語った。

■イシグロ氏手紙の訳文

長崎市長 田上富久様
2017年11月14日
田上市長、

 私のノーベル文学賞受賞へのお祝いのメッセージありがとうございました。貴台にお手間をとらせて私へ手紙を書いていただいたと思うと大変心打たれましたし、長崎市民の皆様を代表してそうしていただいたと思うと、もっと感動いたしました。

 来月私はストックホルムを訪問いたしますが、文学賞受賞の数日前にスウェーデン・アカデミーで公式にノーベルレクチャー(ノーベル賞受賞者記念講演)を行います。そこでどのように長崎が、そして長崎の記憶が私の執筆の基礎となっているかについて少し詳しく話してみようと思います。

 貴台がお手紙の中で言われていたとおり、イングランドで育った私にとって記憶の中の「日本」とは、まさしく長崎のことです。長崎以外は知りません!「長崎」と聞くだけでいまだに特別な気持ちに包まれます。

 ですので、もう一度お伝えします。貴台からお手紙をいただきましたことをただただ感謝しております。このような大きな賞をいただくことになったことを、長崎市民の皆様にも喜んでいただけましたことを大変うれしく思っております。

 貴台と長崎市民の皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

カズオ・イシグロ

=2017/12/28付 西日本新聞朝刊=

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