年賀状の投函(とうかん)はもうお済みだろうか…

西日本新聞

 年賀状の投函(とうかん)はもうお済みだろうか。わが家は宛名を印刷する段になって古いプリンターが天寿を全う。さて、困った。大量の手書きはおっくうだし、時間もない。悪筆を思えば、なおさら腰が引ける。結局、買い替えるはめに

▼賀状に限らず、手書きの機会はめっきり減った。新人記者の頃は、鉛筆を握り締めて原稿用紙とにらめっこ。指にはペンだこができた。いつの間にやら紙と鉛筆はワープロやパソコンに

▼「字が下手になる。漢字を忘れる。何より気持ちが伝わらない」と、最後まで手書きにこだわった先輩もいた。若い記者が10本の指を使って原稿を書くのを横目に“1本指打法”でキーと格闘していた姿を思い出す

▼それも今は昔。いずれは「キーボードが得意なのは旧世代」と言われようか。近頃はパソコンのキーボードがうまく打てない新入社員が多いそうだ。理由は、体の一部のようになじんでいるスマートフォン

▼今どきの若者は、インターネット検索やメール、短文のやりとりはスマホでぱっぱ、と。親指を猛烈な速さで動かして文字を打つ。一方で、キーボードに触れることがほとんどない人も。新入社員にキーボードの練習をさせる企業もあるとか

▼これからは年賀もネット上で済ませ、はがきを書く習慣は廃れていくのかもしれない。そう思えば、鬼籍に入り、賀状を頂くこともない先輩たちの癖のある文字が、ことさら懐かしく。


=2017/12/28付 西日本新聞夕刊=

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