「菅生事件」最後の冤罪被害者 阿部定光さん死去

西日本新聞

 65年前に菅生(すごう)村(現竹田市)で起こった冤罪(えんざい)事件「菅生事件」で、無罪となった元被告の阿部定光さんが亡くなっていたことが29日、分かった。元被告の5人全員が他界したことになり、歴史に残る事件が一つの節目を迎えた。

 阿部さんの家族らによると、阿部さんは今年3月、福岡市の自宅で倒れ、同市内の病院に入院。リハビリを続けたが、病院で8月12日に亡くなった。90歳だった。

 事件は1952年6月2日未明に発生。同村の駐在所が爆破され、爆発物取締罰則違反容疑で共産党員5人が逮捕された。一審では5人全員が有罪判決を受けたが、その後、共産党に潜入した警官の関与が明らかになり、全員の無罪が確定した。妻の節子さん(79)は「家族思いで、事件のことはほとんど話さなかった」と言う。

 県内の有志でつくる「菅生事件を語りつぐ会」の阿部浩三会長(80)=竹田市=は、6月に見舞いに行き「『命を大事に頑張って』と筆談で激励された」と振り返るとともに「残念ながら当事者は皆、亡くなってしまったが、権力の暴走を再び起こさせないためにも、決して忘れてはならない事件だ」と話した。

=2017/12/30付 西日本新聞朝刊=

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