長崎原爆被災者協に「サポーター制」 「非核」継続へ市民参加募る 被爆者高齢化、組織運営を支援

西日本新聞

 被爆者唯一の全国組織、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の主要構成団体「長崎原爆被災者協議会」(被災協、長崎市)が、被爆者と遺族、被爆2、3世に限定している会員規約を改め、一般市民の入会を受け入れる「サポーター制度」を検討していることが分かった。被爆者の高齢化が進み、被爆体験の伝承や核兵器廃絶運動の継続が危ぶまれるため、門戸を広げ「有志」も被爆者らと同じ立場で運営に加わる形に転換する。

 被災協の田中重光会長(77)が西日本新聞の取材に構想を明らかにした。

 田中会長は「居住地は問わず、外国人や学生、特に若い人に会員になってほしい」と明言。現在の個人会員の年会費・機関紙代(計2500円)と同程度の会費負担を条件とすることを想定。入会後は研修で被爆の実相を学んだ上で、核廃絶を求める署名活動や被爆体験の朗読会などの運営・企画に関わってもらうことを検討している。

 早ければ来年6月の評議員会で規約の変更を決定し、来夏にも募集を始める考え。被団協などによると、主な被爆者団体では極めて異例の取り組みという。

 被災協は1956年6月に発足し、長崎の被爆者5団体では最も歴史がある。被爆者援護や核廃絶運動を続け、ピーク時の会員は約3万人に上ったが、被爆者の平均年齢は今や81歳を超え、会員も約5千人に減少。語り部や署名活動の担い手が減り「会場に出向くこと自体が負担になっている」(田中会長)という。今夏には前会長で被爆者の象徴的な存在だった谷口稜曄(すみてる)氏が88歳で死去。「存続が危うい」(同)との危機感が強まっていた。

 一方で、多国籍の若手を中心に運営する非政府組織(NGO)の核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が今年のノーベル平和賞を受賞。被災協でも、寄付金や個別行事での協力にとどまる一般市民との連携について「被爆者だけという形にこだわるべきではない」(被災協関係者)との声があり、今後の運営を見直すことにした。

 田中会長は「平和運動は本来、志ある全ての人が考えるもの。サポーター制度で市民レベルの運動に発展させたい」と話している。

【ワードBOX】長崎原爆被災者協議会(被災協)

 1956年6月、長崎市での第2回原水爆禁止世界大会開催を前に結成。同5月創設の広島県原爆被害者団体協議会に続き、同8月の日本原水爆被害者団体協議会(被団協)発足につながった。山口仙二氏(2013年死去)や谷口稜曄氏(17年死去)らが歴代会長を務めた。14年に一般財団法人化し、被爆2、3世も入会できる規約を設けた。

=2017/12/31付 西日本新聞朝刊=

PR

社会 アクセスランキング

PR

注目のテーマ