新成人、復興へ決意 九州豪雨あす半年

西日本新聞

 九州豪雨の被災地、福岡県東峰村で4日、一足早い成人式が開かれた。新成人たちは傷ついた古里への思いを語り、「古里の役に立ちたい」などと恩返しを誓った。同県朝倉市では園舎が被災した松末(ますえ)保育所が再開し、元気な声が久々に園舎に響いた。九州豪雨の発生から5日で半年。被災地に笑顔が戻った。

 東峰村は同村の保健福祉センターいずみ館で1997年度生まれ17人の成人式を行った。半年前は避難所となっていた会場は、再会を喜び合う振り袖やスーツ姿の新成人で華やいだ。

 「振り袖は母や姉、かんざしはおばあちゃんのお下がりです」。うれしそうに語る元永あか莉さん(20)は、東海大農学部で畜産を学ぶ2年生。2年前に阿蘇キャンパスで熊本地震に遭い、昨年は古里が豪雨に見舞われた。度重なるショックを胸に秘めつつも、成人となったのを機に「二つの災害の経験を生かして、村の役に立つことがしたい」。

 村在住の川村竜太さん(19)は、土木作業員として大分県日田市の小野地区で道路の復旧などに当たっているという。豪雨直後は民家から水にぬれた家具を運び出す作業もしていた。被害を目の当たりにして胸が痛み「一日も早く多くの方が安心して暮らせるよう頑張りたい」と話した。

 式冒頭では黙とうを行い、渋谷博昭村長は「一日も早く元の生活が取り戻せるよう最大限の努力をさせていただく」と新たな年への決意を込めた。新成人には「自分の可能性を信じて、これからの人生を積極的に挑戦していただきたい」とエールを送った。

 新成人を代表して村在住の梅野真桜さん(20)があいさつ。「災害後、全国からたくさんの方々が来てくださり、人と人とのつながりの大切さを強く感じました。私たち新成人も、復興へ向かう東峰村の中で何ができるかを考え、故郷への恩返しをしたい」と前を向いた。

 村を出て大分市で会社員として働く梶原穂乃香さん(19)は「小さな村だからこそ住民同士の助け合いができる。古里のためにできることがあれば、いつでも帰りたいです」と話した。

■保育所に園児の声戻る 朝倉市松末

 九州豪雨で園舎が被災し園児が別の保育所に通っていた福岡県朝倉市松末(ますえ)地区の市立松末保育所は4日に再開。1世帯の園児3人が朝から登園した。

 登園したのは小川唯虎(ゆいと)ちゃん(4)、獅音(れおと)ちゃん(2)、鳳斗(ほと)ちゃん(6カ月)の3人兄弟。保育所近くの家が土砂に埋まり、隣接する同県うきは市のみなし仮設住宅に住む父親の竜一さん(34)は「なじみの保育所だったので子どもたちも戻るのを楽しみにしていた」。子どもたちは早速、職員とパズルをしたり、園庭で花を植えたりして遊んだ。同保育所の吉田千代所長(58)も「子どもの声は地域の人々も元気にすると思う」と話した。

 豪雨時、同保育所にも濁流が迫り、園児らは園舎2階に避難。保護者が引き取れなかった一部園児と吉田所長ら職員3人は隣の松末小校舎3階で住民らと一夜を過ごした。豪雨後、園児は杷木保育所に通園。松末地区は多くの被災者が家を失い、仮設住宅などで暮らす園児もおり、園児数は豪雨前の11人から10人に減る見込み。

=2018/01/04付 西日本新聞夕刊=

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