九州豪雨から半年 「集落に戻りたい」6割 仮設入居者アンケ

西日本新聞

 西日本新聞は、昨年7月の九州豪雨で被災し、福岡県朝倉市と東峰村の仮設住宅で暮らす計107世帯のうち50世帯の世帯主ら50人にアンケートした。被災前に住んでいた集落に戻りたいと31人が回答したものの、戻りたくない人も12人いた。仮設住宅退去後の住まいや生活は、全体の7割超の38人が「見通しは立ってない」と回答し、先行きが見えない被災者の状況が浮かび上がった。被災地は九州豪雨から5日で半年を迎える。

 仮設団地は朝倉市の杷木林田、頓田、宮野と東峰村宝珠山の計4カ所あり、107世帯約220人が入居する。アンケートは昨年11月下旬から12月にかけて、記者がそれぞれ面談して行い、朝倉市で40人、東峰村で10人から回答を得た。

 仮設住宅の入居期間は原則2年間に設定されている。退去後に元の集落に戻りたいと答えた人に理由を尋ねると「みんな気心知れた人ばかりで、住み慣れた場所だから」(朝倉市林田団地の70歳女性)、「江戸時代からの先祖の土地を離れるわけにはいかない」(東峰村の66歳男性)といった望郷の念を語る人がほとんどだった。

 一方で、「戻りたくない」と答えた12人は、「家が山に近く、2012年の九州北部豪雨に続いて被害に遭った」(朝倉市林田団地の70歳女性)と、防災への不安を挙げる人が目立った。「仮設住宅は病院に近くて便利。この近くにいたい」(朝倉市林田団地の85歳女性)と、山あいにある自宅より生活が便利になった点を理由に挙げる人もいた。「分からない、迷っている」は7人だった。

 退去後の生活の見通しが立ってない人は「村の復興計画が分かってから結論を出すつもり。村から出ることも検討中」(東峰村の67歳女性)と復興の道筋が見えた段階で決めたいとする人や、「無職だから金がない」(朝倉市頓田団地の70歳男性)と経済的な理由を挙げる人が多かった。このほか「平屋で倉庫がある家を探している」(朝倉市林田団地の68歳女性)など、希望に合った物件が見つからない人もいた。

=2018/01/05付 西日本新聞朝刊=

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