「後悔の消し方、知ってるか」75歳ホームレス、今でも週2回は妻の元へ 家を出たワケとは

西日本新聞

「天気のいい日には空を見て、好きなことをして生きている」と山田さんは語る 拡大

「天気のいい日には空を見て、好きなことをして生きている」と山田さんは語る

 【人生まるよ】<1>

 「後悔の消し方、知ってるか」。山田さん(75)=仮名=は突然、おでん片手に聞いてきた。ホームレス支援団体の炊き出しにボランティアで出向いたときのこと。肌寒い夜だった。

 「知らないです」。山田さんの隣に座り、耳を傾ける。

 「今が楽しいなら、後悔は後悔じゃなくなり、ただの思い出になる。逆に今が最悪なら、後悔はさらに大きくなる。後悔を消すには、今を良くするのが一番近道ってわけよ」

 「山田さんは今、幸せなんですか」と聞くと、「今は自由でいいよ」。そして、ぼそっと言った。「人生、まるよ」

    *   *

 何が「まる」? なぜ「まる」? ひょうひょうとして明るい山田さんのことが気になって、公園にある「家」に何度も通った。

 60歳から外で暮らし、15年になる。食事はスーパーの半額弁当など。お風呂は週2、3回、無料入浴の施設に通っている。日頃は廃品回収をしたり、図書館で本を読んだりして過ごす。哲学書、特に池田晶子さんの著書が好きだ。

 年金など家計は妻が管理し、生活費は1日千円分、振り込んでくれる。膝が悪い妻を気遣い、週に2回はマンションへ自転車で行き、ごみ捨てやお風呂掃除、買い物を手伝う。「今の距離感がちょうどいいよ」

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