豪雨半年、懸命に前へ 朝倉市や東峰村で犠牲者を追悼

西日本新聞

 福岡、大分両県で関連死を含め42人の死者、行方不明者を出した九州豪雨から半年を迎えた5日、福岡県朝倉市や東峰村などで遺族や住民が犠牲者を慰霊し、静かに目を閉じた。被災地では今年、河川などの復旧復興が本格化する。被災者らは暮らしや古里再生の誓いを胸に、次の一歩を踏み出す。

 朝倉市は午前10時、防災行政無線で市民に黙とうを呼び掛けた。同市杷木志波の道目木(どうめき)公民館では、ビールケースで作った献花台に住民が花を手向け、手を合わせた。3人が犠牲になった東峰村でも正午から村役場で黙とうがあり、住民や村職員がサイレンに合わせて目を閉じた。

 朝倉市杷木白木の小嶋重美さん(69)はこの日、がれきだけが残る自宅跡を訪れた。

 自宅に濁流が押し寄せ、1階にいた妻の初子さん=当時(69)=を失って半年。小嶋さんは「寂しい。そばにいるべき人がいないから」と目を潤ませた。これまで炊事をしたことはなかったが、今はご飯をたき、仏壇に供える。

 手を合わせる小嶋さんの傍らには、初子さんが世話していた愛犬ゴンタ。小嶋さんとともに一命を取り留め、今は福岡県うきは市のみなし仮設住宅でともに暮らす。亡き妻の分身のような愛犬も一緒の生活再建に向け、小嶋さんは「今年は(将来の)家をどうにかせんと。慌てずに考えたい」としんみり語った。

=2018/01/06付 西日本新聞朝刊=

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