ネット通販で本を買うのをやめてみた

西日本新聞

 ネット通販で本を買うのをやめてみた。電子書籍からも意識して遠ざかり、欲しい本を購入するために足しげく書店に通うようになった。ずらりと並んだ書架の中から、目的の本を探すのは思った以上に大変で、早々と諦めて店員を呼ぶことも多い。上中下巻の単行本を買って、ずっしりと重さを感じながら帰宅することもある。

 手間は数段かかるようになったが、探していた本が見つかって店員と一緒に笑顔になったり、注文して取り寄せたい作家の名を若い店員に告げてもうまく通じず、世代のギャップを実感したりと、「本を買う」という行為は格段に豊かになったと思う。

 電子書籍をほとんど出さない作家の宮部みゆきさんは「街の本屋さん」は「私と読者の間に存在し、一緒に出版文化をはぐくんできた」と言い「ぜひ、頑張ってほしい」と激励する。私も「本探し」に付き合ってくれる書店に同じエールを送りたい。 (吉田岳久)

=2018/01/06付 西日本新聞朝刊=

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