常夏のハワイ生まれの若者は、日本の寒さに震え上がった…

西日本新聞

 常夏のハワイ生まれの若者は、日本の寒さに震え上がった。食べ物も口に合わず、ちゃんこはケチャップをかけて食べた。稽古はつらく涙が出たが、「目から汗が出た」と強がって耐えた

▼大相撲の元関脇、高見山さんの入門当時の逸話だ。大きな体と明るい性格で国民的な人気者となった。高見山さんが1968年の1月場所で史上初の外国出身・外国籍の幕内力士となってから、きょうでちょうど50年

▼外国出身力士の草分けとして、大相撲の国際化にも大きく貢献した。ハワイからは小錦関、曙関、武蔵丸関らが続き、外国出身の大関、横綱が誕生。2000年代に入ると、白鵬関らモンゴル勢が大相撲を支えるようになった

▼そのモンゴル出身力士を巡り、角界は大揺れ。暴行事件を起こした横綱日馬富士関が引退し、師匠らも処分を受けた。被害者の師匠、貴乃花親方も報告義務を怠り聴取に応じなかったとして理事を解任された

▼処分は決定しても一件落着ではない。肝心なのは暴力をどう根絶するか、だ。伝統や品格を重視する「相撲道」と、外国出身力士が上位を占める現実とのずれが、問題の背景にあるようにも

▼「私たち外国人は人一倍努力しなければならない。常に尊敬の気持ちを忘れず、精進を続けていけば、日本の人々は温かく迎えてくれる」と高見山さんは言った。道を開いた先達は、角界の現状を「目から汗」の思いで見ていよう。


=2018/01/06付 西日本新聞朝刊=

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