褐炭を火力燃料に改良 九電が豪で加工場検討 採掘容易「ただ同然」

西日本新聞

 低品質な石炭の一種「褐炭(かったん)」を火力発電所での使用に耐えうる良質な燃料に加工する技術を、新日鉄住金エンジニアリング(東京)や九州電力などが開発した。九電は自社の石炭火力発電所での使用に向けた調査に入った。石炭は近年、価格の乱高下が激しく、「ただ同然」とされる褐炭を活用できれば、安定供給と大幅なコスト削減につながると期待されている。

 褐炭は水分量が多く、エネルギー効率が悪い半面、乾燥させると自然発火しやすく、長期の輸送に向かない。売り物になりにくいため「オーストラリアなどの産炭地でもほとんど捨てられているのが現状」(新日鉄住金エンジニアリング幹部)という。

 一方、褐炭は世界の全石炭資源の3分の1を占めるとされ、地表に出ているものが多くて採掘もしやすいため、その活用が電力業界などの長年の課題だった。

 新日鉄住金エンジニアリングなどは10年以上前から研究を開始。独自の乾燥技術で水分量60%のオーストラリア産褐炭を同10%に落とすとともに、空気を遮断して高温で熱することで揮発性成分を除去、自然発火しにくくすることに成功した。同社幹部は「品質は火力発電所で使用している石炭と同等。加工プラントの建設は1年から2年で可能だ」としている。

 これを受け、九電はオーストラリアでのプラント建設候補地の調査に着手。初期経費のほか、苅田発電所(福岡県苅田町)など3カ所の石炭火力発電所までの輸送費などを算出し、採算性を見極めることにしている。

 九電幹部は「良質の石炭はこれからどんどん減っていく。いずれは褐炭に頼らざるを得なくなるかもしれず、燃料として使えるようになる意味は大きい」としている。

=2018/01/07付 西日本新聞朝刊=

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