米大統領の聴取要請 ロシア疑惑特別検察チーム 現地報道、全面拒否の可能性も

西日本新聞

 【ワシントン田中伸幸】米メディアは8日、ロシアによる米大統領選干渉疑惑を捜査するモラー特別検察官が、トランプ大統領への聴取を弁護団に打診していると一斉に報じた。トランプ陣営とロシア政府との共謀が焦点のロシア疑惑を巡る報道は枚挙にいとまがないが、ついにトランプ氏本人が聴取の対象になるというニュースに、捜査が重要局面にさしかかったとの臆測も飛び交っている。

 NBCニュースなどによるとモラー氏側は昨年末、トランプ氏聴取の意向を弁護団に伝達。数週間以内にモラー氏による聴取が実現する可能性があるという。

 トランプ氏は6日も記者団に「共謀はない」と述べるなど、身内の関与を含めてこれまで一貫して疑惑を否定。昨夏には宣誓して証言するかとの問いに「100パーセント(する)」と答え、モラー氏と面会すれば「喜んで話す」と前向きな姿勢を示していた。

 ロシア疑惑は支持率低迷の大きな要因だけに、トランプ氏としては一日も早く収束させたいところ。弁護団も8日、モラー氏側との接触について言及は避けつつ、「早急な解決を促すため特別検察チームには全面的な協力を続ける」とコメントした。

 とはいえ、捜査の手はフリン前大統領補佐官の訴追などトランプ氏の側近に及んでいる。モラー氏はトランプ氏が昨年5月、疑惑捜査を担当していたコミー前連邦捜査局(FBI)長官を解任したことが司法妨害に当たるかどうかについても強い関心を持っているとされ、トランプ氏には厳しい局面が続く。

 何とか世論の目をそらしたいトランプ氏は、FBIが大統領候補だったクリントン元国務長官を勝たせるため、クリントン陣営と共謀していたなどと主張。トランプ氏を支持する保守系メディアは、モラー氏主導の捜査の公平性を疑問視する報道を繰り返している。

 「トランプ氏がモラー氏も解任するのでは」との観測もくすぶる中で浮上したモラー氏によるトランプ氏への聴取要請。疑惑解明への最終段階かと注目されるが、一部メディアは弁護団が聴取はもちろん、書面での供述も拒否する可能性があると伝えており、捜査の行方は依然、読めない。

 ただ、一連の混乱が、トランプ氏が最近、訴えるように「米国の印象を悪くし、不利な立場に追いやっている」ことは間違いない。

=2018/01/10付 西日本新聞朝刊=

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