韓国、日本拠出金を凍結 慰安婦合意 政府が10億円用意 再交渉は求めず

西日本新聞

 【ソウル曽山茂志】韓国の康京和(カンギョンファ)外相は9日、従軍慰安婦問題を巡る2015年の日韓合意に関する政府の新たな方針を発表した。合意に基づき元慰安婦の支援に向けて日本政府が拠出した10億円を凍結し、同額を韓国政府が代わりに拠出する一方、「両国間の公式合意だったとの事実は否定できない」として、日本に再交渉は求めないとした。その上で日本に元慰安婦の名誉、尊厳の回復と心の傷を癒やす努力を続けるよう求めた。

 河野太郎外相は「合意は最終的かつ不可逆的であり、日本に追加措置を求めるというのは全く受け入れられない」と反論。同日、韓国政府に抗議した。

 10億円を財源とする現金支給事業では、合意時点で存命だった47人のうち36人が受け取ったか、受け取る意思を示している。財源を韓国政府拠出に置き換えることで、拠出金を出した時点で「責務を果たした」(岸田文雄外相=当時)と主張した日本をけん制し、日本の追加措置を引き出す狙いとみられる。日本が拠出した10億円の扱いは両国で今後協議するとした。

 合意に基づき韓国政府が元慰安婦らを支援するために設置した「和解・癒やし財団」の運営は、元慰安婦や支援団体の意見を聞いて決定するとし、解散には言及しなかった。ただ、財団は8人の理事のうち民間の5人全員が辞表を提出しており、事実上活動できない状況になっている。

 日韓合意を巡っては、昨年12月末、韓国外務省作業部会の検証結果を踏まえ、文在寅(ムンジェイン)大統領が「(交渉に)重大な欠陥」があったと指摘し、「この合意では慰安婦問題は解決できない」と明言した。文氏は10日午前に開く年頭記者会見で新方針の狙いを説明する。

=2018/01/10付 西日本新聞朝刊=

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