「亡き娘に逮捕伝えたい」 未解決の主婦殺害 被害者の母が若松署で講演

西日本新聞

 2001年に北九州市若松区の自宅で刺殺された主婦関岡晴美さん=当時(34)=の母永野弘子さん(73)が同区の若松署で講演した。いまだ容疑者逮捕には至っておらず、9月には有力な情報提供者に国費で懸賞金を支払う「捜査特別報奨金制度」の適用期間が終了したが「娘に逮捕を伝えたい」と訴え、署員約80人に真相解明を求めた。

 事件は01年6月29日、当時4歳の長男が居間で胸などを刺された関岡さんの遺体を見つけて発覚。約4時間前には、約3キロ離れた水巻町のスーパーの現金自動預払機で関岡さん名義のクレジットカードで現金を引き出す人物が防犯カメラに写っていたが、凶器を含め有力な手掛かりはない。

 警察庁は15年、原則1年の捜査特別報奨金制度の対象事件に指定。昨年9月にさらに1年延長したが、逮捕に結び付く情報は得られなかったという。署は、事件当時を知らない署員もいることから、解決に向けて士気を高めようと講演を企画し、9月25日に開かれた。

 演題は「二人の子供を残し逝く悔しさ」。永野さんは、母親代わりとなって孫2人を育て上げた16年の歩みを紹介。第一発見者となった長男が「ママ起きてくれなかった」と死の事実を理解できなかったため、「ママはお空の上にいるから大丈夫だよ」と言って寄り添ってきたという。

 周囲の心ない一言に家族が傷つけられた経緯も語り、公園で長男と遊んでいたときに通りがかった人から「晴美さんのことを忘れたんですか」と言われた例を挙げた。「孫たちは一時期、学校になじめずいじめを受けたが、悲しい思いをした分、優しくなり、強くなった」と振り返り、「晴美も2人の成長を喜びたかったはず」と悔やんだ。

 今後の捜査については「2年間も報奨金の対象にしてもらい感謝している。逮捕を見届け、晴美に伝えたい」と語った。署は「(容疑者逮捕の)決意を新たにした」として、引き続き情報提供を求めている。

この記事は2017年10月03日付で、内容は当時のものです。

PR

社会 アクセスランキング

PR

注目のテーマ