九大「ねこ部」の生態とは? “猫かぶって”部員集め 次第に本性 研究に力点

西日本新聞 ふくおか都市圏版

 福岡市の九大に、その名も「ねこ部」というサークルがあるのをご存じだろうか。近年の猫ブームに乗っかった猫好きが集まった軽いサークルなのか、まさか猫の繁殖など手掛けているのか。2014年5月の発足から4年目。熱心に活動する部員が順調に増えている部の「生態」に迫った。

 ねこ部が昨年11月に福岡市内で開いたシンポジウム。自治体職員や大学教員、獣医師、住民らの前で、部員が次々と発表した。「地域で野良猫を管理する地域猫活動のメリットとデメリットは」「日本と海外で比較した、ペット業界や動物愛護政策の違いは」。「ねこ部」というかわいい名前とはほど遠い、真面目な研究発表会だった。

 初代部長は、数理学府の博士課程3年、入江洋右さん(27)。動物好きで、実家では猫を飼っており、拾ってきたこともあったという。殺処分や地域猫活動など、猫を巡る社会問題に関心があり「猫を好きな人も嫌いな人もいる。問題の背景は複雑で、解決には偏った見方ではなく、生態や地域性、歴史などを幅広く知る必要があるのではないか」。1人で調べたり考えたりしても限界があるため、猫について語る仲間を増やし、人と動物の共存についての知識を発信しようと、サークルを設立した。

 当初は部員を増やすことを重視した。サークルのツイッターに猫のかわいい写真を投稿し、猫カフェ巡りや「猫の島」への訪問を前面に打ち出した。猫をかぶって親しみやすさをアピールした。現在の部員は32人。活動の中心は週1回の会合で、猫に関する勉強会やイベントの企画などを話し合い、猫と接する機会はそれほど多くはないという。

 全国の大学で地域猫活動などに関わる団体が集まる「大学猫シンポジウム」の発案者、松山圭希(よしき)さん(26)=兵庫県=によると、猫に関する大学サークルは全国で15以上あるという。ただ「猫との触れ合いが少ない団体は珍しい」と話す。

 部は年々活動を広げ、一昨年からは猫問題を啓発する獣医師会のイベントの運営に関わり、昨年は部のフリーペーパーの発行も始めた。とはいえ、現部長の中野龍也さん(21)=工学部3年=は「今の活動ではまだ、社会に一石を投じるところまでは及んでいない。勉強を重ねて部員のレベルを上げ、発信の方法も試行錯誤したい」と満足していない。ニャンとも真面目なサークルは、まだまだ成長中だ。

=2018/01/15付 西日本新聞朝刊=

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