介護予防ポイント広がる 筑豊各地の自治体で事業 高齢者のひきこもり対策も

西日本新聞 筑豊版

 65歳以上の高齢者が体操教室やボランティアなどの介護予防活動に参加すると、現金や商品券と交換できるポイント事業の取り組みが筑豊各地の自治体で広がっている。増え続ける医療費の抑制だけでなく、高齢者のひきこもり対策や健康診断の受診増加にもつながると期待されている。

 昨年12月1日午前8時半、糸田町の町保健センターが開館すると、トレーニングルームに10~20人の高齢者が続々と集まってきた。

 手には介護予防教室と書かれた手帳。参加者は、常駐する指導員に手足の運動を教わりながら1時間ほど汗を流した。参加した久米洋志さん(67)は「体を動かすことで頭の回転もよくなる。他の人が心配するから休めない」と笑う。

 糸田町は2015年10月、介護予防ポイント事業を始めた。65歳以上で介護保険サービスを受けていない人が対象で、「元気いきいき教室」「青空ウオーキング」などの健康づくり活動に参加すると、1回につき50~100ポイントがもらえる。

 千ポイント以上ためると、1ポイントにつき1円として、100ポイント単位で年間3千円まで換金できる仕組みだ。料理教室など多彩なプログラムがあり、11月15日には、地域住民が歌遊びや手足の運動で交流を深める「認知症カフェ」も始まった。

 ポイント事業の登録者は17年3月末時点で361人。初年度から125人増えた。佐々木淳町長は「町民の健康に対する意識を高めてもらい、健康寿命を伸ばしてほしい。将来的には町の医療費負担の軽減につなげたい」と話した。

 25年には、いわゆる団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となり、医療や介護などの社会保障費が大幅に伸びると懸念されている。このため、国も病気や介護予防につながる事業の創出を奨励している。

 介護予防ポイント事業は全国的に注目されている施策の一つで、筑豊地区では14年、田川市と直方市、添田町で始まった。ポイントを地元で使える商品券と交換することで、病気の予防に加えて地元経済への貢献も狙っている。

 直方市は10、11年度、特定健診の受診率が県内60市町村で最低だったことから、ポイント事業の登録を条件に生活習慣病予防の特定健診やがん検診の受診も対象にした。

 香春町は17年4月に「いきいきポイント事業」を開始。本年度予算に120万円を盛り込み、町民約400人の参加を見込んだ。町主催の介護予防教室のほか、地域の公民館活動に参加した場合もポイントが付与される。

 町保険健康課の担当者は「介護予防はもちろんだが、1人暮らしの高齢者はひきこもりがちになる。公民館に集って、近所の人と関われるきっかけにしてほしい」と、地域のコミュニティーづくりにもつなげたい考えだ。

=2018/01/15付 西日本新聞朝刊=

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