住民結束神像救う 熊本市、被災の菱形八幡宮から19体 「後世につなぐ責任」修復を目指す

西日本新聞

 熊本市北区植木町の菱(ひし)形八幡宮は、2016年4月の熊本地震で神殿と拝殿が落下した巨岩に押しつぶされたものの、氏子の住民たちが19体の神像全てを土砂の中から掘り出した。平安時代に制作された歴史的価値の高い神像もあり、氏子たちは「受け継がれた文化を後世につなぐことは自分たちの責任」と、神像の修復を目指している。

 植木町円台寺地区にある菱形八幡宮は、付近にあるひし形の池に八幡神が初めて出現した「八幡宮発祥の地」との伝承が地元にあり、三つの集落の氏子たちが管理し、守ってきた。

 本震直後、裏手の崖から高さ2メートル、幅5メートルほどの岩が「爆撃のような音」を立てて落下。神殿と拝殿はぺしゃんこにつぶれ、神殿内に安置されていた神像も土砂に埋まった。

 氏子たちは同年夏、重機用の道路を整備。約70世帯が交代で3週間掛け、重機と人力でがれきや土砂を取り除き、神像を掘り起こした。神像は木製で、虫がわいたりカビが生えたりしていた。真っ二つに割れた像もあり、氏子の松本和人さん(76)は「このままでは朽ち果ててしまう」と心を痛めた。

 氏子たちは、被災文化財の保護活動に取り組む専門家グループに応急処置を依頼。カビや虫を防ぐ薬剤で薫蒸し、県が保管している。

 神仏像に詳しい県立美術館の有木芳隆学芸員(57)によると、神像19体は平安~室町時代に作られたという。「千年にわたり地元の人たちが守ってきたことを示し、地域の歴史を知る上でも価値が高い」と話す。

 神殿と拝殿は、早ければ今夏にも再建する予定。「先祖が守り抜いたものをここで白紙にはできない」と松本さん。神像の修復は県の文化財復興基金の補助制度に申請中という。

=2018/01/18付 西日本新聞朝刊=

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