合同チーム割れる韓国 「平和五輪の象徴」「選手に不利益」

西日本新聞

 【ソウル曽山茂志】韓国と北朝鮮は17日の南北次官級協議で、平昌冬季五輪に出場するアイスホッケー女子の韓国代表チームに北朝鮮代表の選手数人を加えて五輪初の南北合同チームとすることで合意した。韓国では「平和五輪」の象徴になると好意的に受け止める声がある一方、韓国代表チーム監督らから「チームワークが崩壊する」などの不安も噴出している。

 「開幕直前に合同チームの話が出て衝撃を受けている」。16日、メディアの取材に応じたアイスホッケー女子韓国代表チームのサラ・マレー監督は憤まんやる方ない様子だった。監督は、北朝鮮代表選手の2、3人の実力が一定レベルにあることは認めつつも、「われわれの控えの選手にも及ばない」と指摘。仮に合同チーム結成が実現しても、「北朝鮮の選手を起用するような圧力がないことを希望する」とくぎを刺した。

 五輪を所管する都鍾煥(トジョンファン)・文化体育観光相は16日の閣議で、合同チーム構想について通常23人の大会登録選手数を「韓国選手23人プラス北朝鮮選手」に増やす形で国際オリンピック委員会(IOC)と協議していると報告。「選手たちに不利益はない」と強調した。ただ登録数を増やしても、ベンチ入りできる選手は1試合22人と限られるため、選手によっては出場機会やプレー時間が減る恐れがある。

 こうした不安を抑えようとした李洛淵(イナギョン)首相の16日の発言が、さらに選手や国民の不満を招いた。「韓国の代表チームはメダル圏に入っていないので、北朝鮮の優秀な選手が加わることで戦力が強化されるのではないか」。韓国紙、朝鮮日報は17日、「首相がわれわれのチームの実力を不当に低く評価した」と批判。「南北融和を演出しようとする政治目的なのに、あたかも戦力強化になるかのように説明している」とアイスホッケー関係者の不信の声を紹介した。

 インターネットメディアが17日に発表した世論調査(781人回答)によると、合同チーム結成について「賛成」が44%、「反対」が42%と割れた。南北対話路線の文在寅(ムンジェイン)大統領を支える与党「共に民主党」の秋美愛(チュミエ)代表は「合同チームは平和や和合という五輪の精神の観点で評価すべきだ」と理解を示した。

=2018/01/18付 西日本新聞朝刊=

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